【大アルカナ16：ラプンツェル】過去のしがらみを断ち切る時

このページでは、インナーチャイルドカードの読み方が分からないあなたのために、出来るだけ分かりやすく、また私自身が実際に遭遇した出来事を物語のような形でお届けしています。

自分でカードが読めるようになりたい。お仕事にインナーチャイルドカードを活用していきたい。と考えている、特に初心者の方に向けた内容になっていますので、是非参考にしてくださいね。

＜「ラプンツェル」～過去のしがらみを断ち切る時＞

「これはいいカードですか？」「このカードは悪いことが起きることを意味しているのですか？」等、インナーチャイルドカードに関してよく尋ねられます。

例えば、インナーチャイルドカード「大アルカナ16：ラプンツェル」も怖い印象を受けるカードです。「ラプンツェル」を引かれたある女性は、「あ～！やっぱりね……。悪いカードが出ると思っていました」と言われました。でも、「ラプンツェル」は悪いカードでしょうか？

＜「大アルカナ１６：塔」の意味＞

従来のタロットの「大アルカナ16」は「塔」です。

＜「塔」の意味＞

「塔」は晴天の霹靂のような突然の大きな出来事を表します。これまで築いてきたものが一気に崩れ去るようなことや予想外のアクシデントが起こる可能性を暗示しています。

でも、疑問を感じながら漫然と続けてきた生き方を打破して、新たなスタートを切ることも暗示しています。また、「塔」は高すぎるプライドを表しているのかも知れません。過去と決別し、もう一度やり直すチャンスの時が来たのだと考えることができます。

＜「ラプンツェル」の意味＞

12歳の時に階段のない塔に閉じ込められた美しい少女「ラプンツェル」の物語は、「インナーチャイルドカード」における「塔」を表しています。インナーチャイルドカードセラピーの創始者イーシャ・ラーナーさんは、インナーチャイルドカードの参考書で以下のように書かれています。

　＜「ラプンツェル」の意味＞

従来のタロット「大アルカナ１６：塔」は、自己中心的な意識の浄化、および物質的な基盤は霊的な生活の礎（いしずえ）になりえないという認識を描いています。

人類は「バベルの塔」、優雅なビル、きらめくような摩天楼を建てることはできても、人間性は、卓越した努力や偉業なしに確立することは出来ないのです。

私は従来のタロットの意味を踏まえて、ラプンツェルのカードの意味をこのように捉えています。

１）晴天の霹靂ともいえるような突然の大きな出来事をこのカードは表しています。これまで築いて来た信頼関係が崩れ裏切られたというような出来事があったかもしれません。しかし、疑問を抱きながら続けてきた生き方を打ちこわし、新たなスタートを切る時が来たことをこのカードが告げています。

２）「塔」は、高すぎるプライドを表していることもあります。過去に自分がしがみついていたプライドを手放すことはつらいことかもしれませんが、手放すことで初心に返って出直すこともできます。過去のしがらみを断ち切って、もう一度やり直すチャンスが来たのです。

＜「ラプンツェル」のカードの印象＞

カードの説明が長くなりましたが、「大アルカナ16：ラプンツェル」を「悪いカード」と感じられた女性に「ラプンツェル」のカードの印象をお尋ねしました。女性はこのように答えて下さいました。

「私には塔の下で少女の髪を引っ張る怖いイメージの女性が母に思えます。母は私を厳しく育てたのです。女の子はいずれお嫁に行くから、いいお嫁さん、いいお母さんと言われるようにと。

私は何でも自分でできるようになりました。母には一切甘えられなかったのです。遠くで煙をあげる火山は、私の不満を表しているように感じます。また一方で、白い馬に颯爽と乗っている人も自分であるように思えます」

＜母の敷いたレールに従って生きてきた＞

「私がいずれお嫁に行くだろうと母は思っていたようですが、結局、私は今まで一度も結婚せずにずっと母と暮らしました。

その母が先月亡くなりました。母の介護は私がしました。これまで築いてきたものが、一気に崩れ去るようなことがあるかも知れないことをこのカードは暗示しているそうですが、それはきっと母の死です。私は今まで母の敷いたレールに従って生きて来たので……」

カードから受けた印象を話し、カードの意味を聞いた女性は、ゆっくりとご自分の気持ちを話されました。

＜自分と向き合うことができた＞

「母の死で私の今までの生き方は、崩れ去りました。タロットの『塔』のように。今まで『ラプンツェル』のカードの火山のように、私の中で怒りとも不満ともつかない何かが煙をあげていました。

でも、崩れ去ってよかったんです。今まで不満があっても壊せなかった疑問だらけの私の人生でした。でも、母との関係に思える髪をバッサリ切って、白い馬にのって新しい人生を生きてみます。

『ラプンツェル』も『塔』も悪いカードだと思っていました。でも、そうじゃないんですね。このカードのおかげで自分と向き合うことが出来ました。新たなスタートを切ります」

自分の気持ちを話された女性は、スッキリした明るい表情になりました。

カードに「良い悪い」はありません。怖い印象を受けるカードも「何が怖く感じるのか？」「不安に感じるのはなにか？」等々、自分の気持ちを掘り下げることで、気持ちが整理されます。恐怖や不安の正体をつかめるのです。自分と向き合えるのです。「ラプンツェル」を引いたこの女性のように。

以上、インナーチャイルドカード「大アルカナ16：ラプンツェル」の物語でした。インナーチャイルドカードの各カードの意味や解釈を知りたい時は、「インナーチャイルドカード物語」をご覧下さい。講師と一緒にもっと深く学びたい時は「村川久夢インナーチャイルドカードセラピー講座」にお越し下さい。講座については下記ボタンから案内をご覧下さい。

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