『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』~1章1項~

 

第1章 50代はあなたが思っている以上に気力・体力にあふれている

 

(1)不器用だから手芸は苦手という制限を外してベストを編み上げた

  

私は編み物、

特にかぎ針編みが大好きで、

いつもチマチマ何かを編んでいます。

「久夢さんは器用ですね。

私も編み物をしてみたいけれど、

不器用だから……」

とよく言われます。

  

でも私は、特に器用というわけでは

ないんです。むしろ不器用な方です。

私が器用に見えるとしたら、

私にとって編み物が楽しくて、

夢中でたくさん編む経験を

重ねたからだと思うのです。

   

あなたにも、興味はあるのに「私にはできない」と思い込んでいるものはありませんか?50代は、それにもう一度挑戦してみませんか?

    

   

<不器用というレッテルを自分に貼ってしまった>

    

私の母も、同居していた父方の祖母も

とても器用で、縫い物も編み物も

上手でした。でも残念なことに

二人とも教えることは、

得意ではなかったようです。

     

幼い私が、母や祖母の編み針を借り、

余り毛糸で何かを

編もうとしていた時のことです。

幼い子どもが初めて

何か編もうとしているのですから、

編み方もわからず、

上手に編めるわけもありません。

   

それを見た祖母は、

「あ~!下手!下手くそ!

こんなどんくさい子は見たこともない!」

と激しくけなしました。

それを見た母が、

とりなしてくれるのかと思ったら、

「あんたは不器用でどんくさくて

下手なんやから、

編み物なんか止めてしまい!」

と追い打ちをかけるように怒鳴りました。

    

その時、私は自分を不器用でどんくさくて編み物はできないのだと思い、とても傷ついてしまったのです。

   

その後、私は編み物や手芸一般に対して

苦手意識を持つようになりました。

私が成人した頃は、

バブル全盛の頃だったことも

あって、「手芸なんて時間の無駄。

必要なものがあれば、

お金で買えばいいのよ」

と考えるようになりました。

  

手芸が得意な母や祖母に対する

少し屈折した対抗意識が

あったのかも知れないですね。

  

<編み物との再開-編み編みライフの始まり->

     

そんな私が編み物に夢中になったのは、

うつ病を患ってからでした。

40代でうつを発病して、

病状が一進一退でなかなか

良くなりませんでした。

 

やっと今の主治医に出会い、

うつが落ち着いてきました。

主治医の勧めもあって、

私はデイケアに

参加するようにもなりました。

 

デイケアとは、精神科などが提供する

治療プログラムの一種です。

心の病を患う人は人付き合いが苦手に

なっていたり、

家に閉じこもりがちだったり、

ひとりでつらい思いをしていることが

多いものです。

デイケアでは、他のメンバーやスタッフと

ともに様々なプログラムに参加しながら

一人ひとりの目標に向けて、

それぞれのペースで過ごしています。

レクリエーション・共同作業・ミーティング

等を通じて生活のリズムを整えたり、

人付き合いの練習を始めたりしていました。

  

デイケアに参加するようになった私は

ある日、デイケアルームの片隅に

編み針や毛糸があるのを見つけました。

編み物をやってみたい気持ちと、

自分は不器用だからという気持ちが

入り混じりました。

   

そんなある日、デイケアの帰りに

立ち寄った100均ショップで

キレイな色合いのアクリル毛糸を

見つけたのでした。

編み針も100円で売っています。

「編まなかったとしても

200円の出費だから」

と思って毛糸と編み針を買いました。

     

今思うと、それが私の編み編みライフの始まりだったのです。

 

<ああ!そういうことやったんか!>

   

毛糸と編み針を買ったものの、

編み方も何を編むかも全くわかりません。

でも、私の子供の頃とは違い、

インターネットが普及する

ありがたい時代になっていました。

   

「かぎ針編み 基本」

と入力して検索すると、

かぎ針編みの基本をわかりやすく、

詳しく説明したホームページ、動画、

ブログを沢山見つけることができました。

毛糸のかけかたから、

編み針の持ち方まで、写真や

動画付きで説明されていたのです。

   

動画を何度も見て、

自分も真似してやっている内に、

「ああ!そういうことやったんか!」

とかぎ針編みの基本、鎖編み、細編み、

長編みの編み方が理解できました。

「なんでお祖母ちゃんもお母ちゃんも

これを教えてくれへんかったんやろう」

と思いました。

     

母も祖母も自分が編むのは上手でしたが、教えるのは得意ではなかったのです。

    

<いくつになっても出来なかったことができるようになるのは嬉しい>

    

いくつになっても、今まで出来なかったことができるようになるって嬉しいですね

  

それから私は不格好なアクリルたわしを

いくつも編みました。

だんだんアクリルたわしでは

飽き足らなくなって、

細編みだけで編める編みぐるみ、

コースター、シュシュ、ブローチ、

イヤリング等の小物を

編むようになりました。

    

      

上手だと褒められたり、

「私にも編んで」

と頼まれたりするとますます嬉しくなって、

一生懸命に編みました。

   

<細い糸でベストを編み上げる意欲があった>

     

主治医の適切な治療や

デイケアに定期的に通って

生活のリズムがついたこともあって、

私は順調に回復し、

元気になっていきました。

 

体力がついたこともあり、

私の編み物熱も高まりました。

私は小物だけでなく、

ウエアを編んでみたくなりました。

その時、家に中細毛糸が

かなりたくさん残っていたので、

細い毛糸でベストを編むことにしました。

  

「この細い毛糸でベストを編み上げられたら、私はうつを克服できる」

   

と心の中で思っていました。

毎日、昼間はデイケアルームで、

夜は自宅のリビングルームで

黙々とベストを編みました。

頑張ったからか、1ヶ月ほどで

ベストが完成しました。

    

細い糸でベストほどの大物を編み上げる意欲が私にあったのです。

    

<私にもできた>

   

自分で編んだウエアを着ると、

嬉しさでいっぱいになりました。

編み物は、本当に楽しいし、

完成する喜びがあり、

達成感が私に自信をつけてくれたのです。

   

興味のあったものは、きっとあなたに合っているものです。ぜひ、それをもう一度やってみてください。

    

「何も思いつかない……」

という方は、私のように編み物に

挑戦してみませんか?

もしあなたが「編み物は苦手」

と思っているとしたら、もしかすると、

最初に教えた人の教え方があまり

上手ではなかったのかもしれませんね。

基本が理解できて、小さな物でも

完成したら、達成感があって嬉しいですよ。

意欲が湧いて少しずつ大物に

挑戦したくなります。

それに、編めば編むほど上手になります。

 

「私にもできた!」という実感があなたに自信や気力を与えてくれます。

 

初めて編んだベストを着て

 

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