あなたは初めて読んだ本を覚えていますか?
私が初めて読んだ本は、アンデルセン童話の『マッチ売りの少女』でした。この本を初めて読んだ時のことを今もハッキリ覚えています。

あなたにもきっと子どもの頃に出会った忘れられない本があると思います。
アニメやゲームが人気の現在、子どもがおとぎ話や童話を読まなくなったと聞いています。
子どもがおとぎ話や童話を読むには、ゲームやアニメの視聴と比べて、面倒で時間もかかると感じるでしょう。でも、読書は子どもの想像力や思考力を育むことができるのです。
私自身の読書経験を振り返っても、おとぎ話や童話を読むことが、想像力や思考力を高めてくれたのを感じます。
このブログでは、私が初めて読んだ本『マッチ売りの少女』の思い出と、読書が子どもの想像力や思考力を高めることについて、お話したいと思います。
<いつも本を読んでいた私の原点>
私は読書が大好きなので、うつが酷く本が読めなかった時期を除いて、いつも本を読んでいました。
私が読書好きになった背景には、母が毎晩、読み聞かせてくれたことがありました。幼稚園児だった頃、園を通して毎月「ひかりのくに」と言う絵本を買っていました。母は「ひかりのくに」をよく読んでくれたものです。

<『マッチ売りの少女』との出会い>
ある時、幼稚園の友だちの家に遊びに行くと、綺麗な親戚のお姉さんが遊びに来ていました。お姉さんは私たちにアンデルセン童話の『マッチ売りの少女』を読んでくれたのです。

絵本は豪華な全ページカラーの絵本だったように記憶しています。私は、綺麗なお姉さんが読んでくれた『マッチ売りの少女』にいたく感動したのでした。
「『マッチ売りの少女』の絵本買って~!」と母に絵本を買ってくれるようにしつこくねだったのです。
初めは「まだ字を読めないから」と言っていた母も根負けして、一緒に近所の本屋に行き、『マッチ売りの少女』を買ってくれたのでした。
<字ばっかりの地味な本>
「ついに『マッチ売りの少女』が読める!」と大喜びで本屋から帰った私は、本を開いた瞬間、ひどくがっかりしたのです。

母が買ってくれた本は、どのページも文字ばかりで、数ページに一箇所ある挿絵も地味なモノクロの絵でした。

お姉さんが読んでくれた全ページカラーの豪華な『マッチ売りの少女』の絵本とは、似ても似つかない地味な本でした。
私は憧れの『マッチ売りの少女』を買ってもらったけれど、字ばかりの地味な本にがっかりしたのでした。それに幼稚園児だったので、何が書いてあるのかよくわかりませんでした。
でも、ひらがなは読めたので、フリガナをたよりにたどたどしく音読して読もうとしたのを覚えています。夜、寝る前に母が『マッチ売りの少女』を読み聞かせてくれることもありました。
<子どもなのになぜマッチ売りの少女は働くの?>
子どもの頃、『マッチ売りの少女』を読むたびに、マッチ売りの少女がパンと水しか食べられないことや、子どもなのになぜ働かなければならないのかを不思議に思いました。

また、売り物のマッチを壁に擦って火をつけるのが面白く感じ、マッチの火の光で浮かび上がるごちそうや温かい部屋を、子ども心にありありと想像しました。それは、頭の中で物語を広げる力になったのだと思います。

私が子どもの頃にも、テレビや漫画はありましたが、パソコンもスマホもゲーム機もない時代でした。
小学生になると、私の読書熱は高まって、1冊読むと、また1冊と本を買ってもらうようになりました。
初めて読んだ本、『マッチ売りの少女』は今も大切に持っています。半世紀以上前の本なので、ページを開くとバラバラになってしまうほど傷んでいますが。

<想像力や思考力を育む読書の魅力>
今、振り返ると白黒の地味な本を子どもの私が読むのは大変でしたが、本は想像する楽しみを教えてくれました。

また、「マッチ売りの少女が子どもなのになぜ働かなければいけないのか?」「パンと水しか食べられないほど貧しいのはなぜか?」と考えるチャンスをくれたのです。

『マッチ売りの少女』が私に教えてくれたこと。それは、読むたび心に想像の世界が広がり、考える力が生まれるということでした。今も本を手に取るたび、あの頃の感動を思い出します。

現在の子どもたちはゲームや動画に囲まれて育っていますが、だからこそ、読書が持つ想像力と思考力のプレゼントを届けたいと感じます。

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