江戸時代の貧しい庶民~逞しく生きる~

 

 

私は、江戸時代の貧しい庶民の生活に興味があります。貧しい生活の中でも工夫をして、逞しく生きていた庶民に興味を感じるのです。

 

『心を癒やす仮面さんのお茶』 『人形に生きた男と女~龍次とるり~』 と江戸時代の京都を舞台にした短編小説を書いたら、俄然、江戸時代の庶民の暮らしに興味が湧いて『江戸時代の暮らし方』という本を買ってしまいました。同書で興味を感じたことを紹介しますね。

 

『心を癒やす仮面さんのお茶』

 

 

『人形に生きた男と女~龍次とるり~』

 

<長屋の生活>

大通りからのびる路地を通って奥にすすむと長屋があるのです。井戸、トイレ、ゴミ捨て場は共同です。長屋の一部屋は、六畳一間ほどで、その一間が、玄関、台所、居間、寝室を兼ねているのです。家具はほとんどありません。

     

長屋では人々が仲良く助け合って暮らしていたような印象がありますよね。でも、江戸の中心部では家賃が高いこともあり空き室が多く、住人の転出転入が激しかったようです。なので、人と人のしっかりした結びつきは、できにくかったと考えられるそうです。意外でした。

 

<江戸時代の衣類>

前項「長屋の生活」とも関係しますが、タンスも置けないような、狭い長屋住まいの人たちは、綿を入れたり抜いたりして同じ着物を着ていたり、季節ごとに古着屋や質屋を利用していたそうなのです。

 

『江戸時代の暮らし方』には、「ムダな衣服をため込むことなく、シンプルな暮らしぶりがうかがえます」と書かれていましたが、私は「貧しかったんやな……」と思いました。

 

その他、江戸時代の庶民は正装以外では、足袋は履かなかったそうなんですね。錦絵に描かれている美人は、みんな足袋を履いていません。素足が「粋(いき)」だったからだと書かれていました。

 

足は描かれていませんが(笑)

 

<江戸のリサイクル業者>

江戸は人口が多く、ゴミも多い町で、江戸時代にもゴミ問題がありました。ですが、江戸時代には多くの廃品回収業者がいて、リサイクルや修理のシステムも整っていたようです。

 

江戸のリサイクル業者には、こんな人がいました。雪駄直し、灰買い、古傘買い、提灯張替、瀬戸物焼継、刃物研ぎ。

 

現代のように生産力も科学技術も進んでいなかった時代、今よりずっと厳しい環境や状況でも、創意工夫して、生活を楽しんでいた江戸時代の庶民の生活を調べて、あれこれ想像するのは、楽しいものです。江戸時代の庶民の生活を調べて感じたことは、自分の小説に生かして行こうと思います。

 

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