『ジェーン・エア』~困難に屈せず自らの人生を切り拓く~

秋が深まって来ましたね。秋は読書の秋でもあります。少女の頃の私は、典型的な文学少女でした。その頃、夢中になって読んだ本に『ジェーン・エア』があります。私が持っているのは、大久保康雄訳の新潮文庫版です。愛読書で何度も繰り返し読んだので、カバーはすっかり擦り切れボロボロになっています。

 

『ジェーン・エア』(新潮文庫:大久保康雄訳)

 

<自分の人生を切り拓く>

『ジェーン・エア』は、貧しい孤児のジェーンが、家庭教師として雇われたお邸の主人ロチェスターと恋に落ち、幾多の困難を超えて結ばれるというラブストーリーです。ドラマチックで感動的な物語なので何度も映画化・ドラマ化されました。

 

しかし、『ジェーン・エア』が少女の私を捉えたのは、 主人公のジェーンが自分の人生を切り拓く姿に強く惹かれたからだったのです。

 

<英語がトラウマだった>

ある日、BBCでドラマ化された『ジェーン・エア』を見る機会がありました。ドラマを見て久しぶりに原作を読んでみる気になりました。その時に何を思ったか、洋書でも読んでみる気になったのです。

 

実は当時、私は夫に先立たれ、鬱が悪化して休職中でした。私の英語は悲惨でもうボロボロでした。私が休職に追い込まれた大きな要因に、まともに英語を教えられなくなったことがあったのです。

 

当時の私にとって、英語は強烈なトラウマでした。英語は見るのも聞くのも嫌でしたが、なぜか『ジェーン・エア』を洋書でも読んでみる気になったのでした。

 

<ジェーン・エア再び>

ざっくりと大体の意味が分かればいいという感じで、ベッドに寝そべって楽しみながら読みました。この「楽しむ」と言う感じが良かったのかもしれません。一章読めると、翻訳で一章読むというスタイルで読んだことを覚えています。

 

洋書で643ページ、翻訳は上下2巻の物語です。結局、洋書は読了できませんでしたが、その時は、洋書をとにかく読んでみようと思えただけでも嬉しかったのです。

 

読了できたら英語へのトラウマが緩和され、英語を再び学習する意欲が湧いて来るかもしれないと、当時の私は感じていたのでした。

 

私は改めて物語を読みながら、必死で自立しようとしていた若い自分を思い出していました。どんな困難にも屈しないジェーンに力づけられていた頃の自分を。夫の死や悪化した鬱でお先真っ暗な当時の私は、自立しようと懸命にもがいていた頃の私にもまた励まされたのです。『ジェーン・エア』再びの私でした。

   

<自分の人生を自分で切り拓く>

少女の頃にも、社会人となって鬱を患い、夫と死別し、職を失い、ボロボロになった時にも、そしてまた自分の信じた道を進むようになった今も『ジェーン・エア』は私を励ましてくれるのです。

 

どんな困難にも屈せず、自分の人生を自分で切り拓くジェーン・エアの姿が私の憧れであり理想であることを思い出させてくれます。

 

その後、『ジェーン・エア』の主人公ジェーンや作者のシャーロット・ブロンテより、ずっ~と年上の50代半ばになって、私はやっと自分の信じた道を歩き始めました。60代を目前にして夢を叶え続ける今も、自分で自分の人生を切り拓いたジェーンの姿が私の心に生きています。

  

  

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