スーパーのレジ近くの特売のワゴンに4個入りのミニパン類(あん、チョコレート、クリームなど)が山積みになっていました。
そこで、「ちょっと派手めのおばちゃん」が、必死の形相でパンを見て、レジに並んでいる人にもパンを見せて必死で何か尋ねているのです。

あまりにも必死なので、ちょっと怖いくらいでした。私も4個入りのミニパンを買おうとしたら、おばちゃんの肩に触れてしまったのです。
すると彼女が私にミニパンを突き出して言ったんです。
「What?」
おばちゃんは、外国の人でした。しかし、「What?」と言われても、「どう見てもパンやしな……」と私が戸惑っていると、
「Inside!Inside!」とおばちゃんが言うのです。
「Red Bean」と答えると、
おばちゃんは目を輝かせて「Red Bean!」と叫び、息子さんらしき人に大声で「Red Bean!」と声をかけたのです。

彼も袋にアンの写真があるアンパンを手に「Red Bean!」とまるで金の鉱脈でもみつけたかのような表情で答えました。

驚きましたが、アンパンは日本発祥で、アン入りのパンは外国では珍しいのだということを、その時、実感しました。
▶外国の市場と日本の市場
私自身も外国に行くと、必ず市場やスーパーに立ち寄ります。日本では見られない珍しい食材があるし、安くて手軽にその国の味を楽しめる市場やスーパーマーケットに行くのは、旅の大きな楽しみなんです。

以前、韓国のスーパーでどのコチュジャンを買おうか迷っていたら、買い物をしていたアジュマ(おばちゃん)に、「~チェゴ(~が最高)」とアドバイスしてもらったこともありました。ちょっとした国際交流ですよね。
だから、日本のスーパーに外国人がやって来る気持ちはよくわかります。
そういえば、釜山に行ったときには農協スーパーで韓国メーカーのコチュジャンなどの味噌類、ピーナッツクリームをお餅で包んでチョコレートコーティングした「チョコサルパイ」などのお菓子類、なつめ茶などのお茶類を爆買いして、税関で呆れられたこともありました😅
(関連記事はこちら 👉 釜山旅行記・第5話:農協スーパーで爆買い)
▶でも…錦市場を歩いてみると
でも、一方で最近の錦市場の様子を聞くと複雑な気持ちになります。
かつては「京の台所」と呼ばれ、京都のどんな食材も揃い、料亭や料理屋が質のよい食材を仕入れる場所でした。地元の人にとっても大切な市場なのです。

ところが今では、観光客(特に外国人観光客)相手に質のよくないものを高値で売りつけるいわゆる「ぼったくり商売」が目立ちます。
錦市場の質が下がるような気がして、なんだか悲しかったのです。
SNSで錦市場が話題になり有名になる一方、本来の錦市場の特色が失われるように思えます。
▶交流できると楽しい
私は国際交流のボランティアをしたこともあり、京都を訪れる外国の人と交流するのは好きです。国際交流のボランティア活動では、外国人にお習字を体験してもらっていました。
日本や京都の文化を楽しんでもらえて、よい思い出になるのがうれしかったです。

私自身も外国に行った時、その国の人に親切にしてもらったり、お話したりできるのが楽しかったです。ちょっとした交流がとてもよい思い出になりました。
▶問題はどこにあるのか?
いったい具体的に何が問題なのでしょうね?

インターネットが発達して、SNSで話題になると、地元の人が親しんでいたお店やものが、高くなったり、行列しないと買えなくなったりする。次第に地元の人の足が遠のいている現状があります。
私の家は京都駅から徒歩圏内でホテルや旅館が周りに多くあるからか、近所のコンビニに行ったら、お客さんも店員もみんな外国人で日本人は私一人だったのです。
日本にいるはずなのに、外国にいるような奇妙な気分になりました。
また、マナーの問題などもありますね。日本では自分のゴミは持ち帰るのが一般的になっています。外国人観光客が多い場所は、地元の人がお掃除に追われていると聞いたことがあります。

公共交通機関、特に市バスに乗ると特大のスーツケースをもった外国人がたくさん乗っていて、困ることもあるんです。

外国人観光客を当て込んだ「もうけ主義」の業者がはびこって、京都観光の質が下がってしまうことも大きな問題だと思います。SNSがそれを助長し、行政や国も黙認、むしろ奨励しているように私には思えます。

▶外国人観光客と地元文化のバランス
外国人観光客と日常の暮らし、そして地元の文化。
✅️そのためには、訪問先の分散や、各都市がそれぞれの良さをもっとアピールすることも必要でしょう。
✅️また、日本独自のマナー、たとえば「自分のゴミは持ち帰る」を行政や国がきちんと発信し、シンガポールのように罰則を設けるくらいの覚悟もいるのかもしれません。
✅️さらに、市内観光で公共交通機関を利用する場合には、特大スーツケースの持ち込みを規制するなど、現実的なルール作りも必要だと思います。
私自身も、特大ではありませんが、韓国の慶州でスーツケースを持ってバスに乗った経験があるので、観光客の気持ちもわかるのですが……。
スーパーの小さな笑い話の裏に、観光と暮らしのバランスをどう守るのかという問いが潜んでいるように思いました。
(国際交流とオーバーツーリズム~問題と解決策は何か?:村川久夢)

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