【ああ、京都人】京都の知恵を味わう!手軽に作れるサバ缶を使った粕汁

あなたは酒粕を加えた汁物「粕汁(かすじる)」がお好きですか? 

 

冷え込む時期に、温かい汁物を頂くと身も心も温まりますね。酒粕と根菜で作る粕汁は、美味しく温まる上に、栄養分も高いのです。

 

 

私が作った粕汁

 

 

粕汁は、ブリや鮭などの魚と、大根や人参などの根菜をだし汁で煮て、酒粕と調味料で味つけします。このブログでは、粕汁の美味しさや体によいことや、作り方も紹介します。

 

 

私が子どもの頃、冬になると祖母がよく粕汁を作っていました。ブリや鮭のアラと短冊切りにした大根と人参をだし汁で煮込み、最後に酒粕を加えて粕汁の出来上がりです。薬味は芹と七味でした。

 

酒粕は酵母のタンパク質、糖分、必須アミノ酸、ビタミンBやミネラルなどが含まれる栄養価の高い食品です。サバの旨み、根菜の甘み、そして酒粕のまろやかな風味が絶妙に調和した一杯。心も体も芯から温まります。

 

京都は酒処伏見があり、酒粕を手に入れやすいからか、冬の汁物として粕汁が好まれています。粕汁は酒粕が流通する酒造地域の家庭料理なのです。

 

でも、実は子どもの頃、私は粕汁が大嫌いでした。

 

調理している時の匂いがイヤだったのです。子どもだった私には、ブリや鮭のアラを煮る生臭い魚の匂いが、まず嫌でした。そこに酒粕の酒臭い匂いが混ざると、耐えられない匂いに思えて食べる気がしませんでした。

 

ところが、大人たちはブリや鮭のアラをせせりながら、「美味しい!美味しい!」と言って、お代りして食べていたのを覚えています。私が粕汁を食べるようになったのは、中学生になってからでした。

 

 

食べてみると意外に美味しい! 

 

粕汁を食べられるようになった自分が少し大人になったように感じたことを覚えています。京都人の知恵が込められた粕汁は、大人の味かも知れないですね。

 

 

あれから数十年経ち、私も今ではすっかり家族同様に粕汁が好きになりました。「美味しい!美味しい!」とお代りして粕汁を食べています。

 

魚のアラで粕汁を作っていた祖母も、鮭の切り身で粕汁を作ってくれた母も亡くなりました。私は手軽な鮭缶やサバ缶で粕汁を作っています。

 

家庭で手軽に作れる粕汁は、忙しい日でもぴったりの一品です。ここでは、手間をかけずに美味しく仕上がる「サバ缶を使った粕汁」の作り方をご紹介します。

 

 

 

《サバ缶を使った粕汁の作り方》

 

 

材料)

サバ缶(水煮)、大根、人参、酒粕、だし汁、塩、刻みネギ(お好みで)、七味(お好みで)

 

(作り方)

①大根、人参は、短冊切りにし、缶詰のさばは食べやすい大きさにほぐす。酒粕は小さくちぎってだし汁に浸しておく。

 

②だし汁が煮立ったら、短冊にした大根と人参を入れて煮る。

 

③野菜に火が通ったら、さば缶を汁ごと鍋に入れる。塩小さじ1/2を入れる。

 

④浸しておいた酒粕をお玉の背などで押して溶かし、鍋に溶かした酒粕を入れる。

 

⑤酒粕が溶けたら、味をみて、味を整える。お好みで醤油や味噌をくわえてもOK。

 

⑥器によそって、刻みネギ、七味唐辛子等の薬味を加えていただく。

 

※材料や調味料の分量や写真付きの作り方は、私が投稿したレシピを下記リンクからご覧ください。

 

*旨みたっぷり!!☆さば缶を使った粕汁レシピ*


 

具材を切って、だし汁にサバ缶と野菜を入れ、酒粕と調味料を加えるだけで作れます。面倒くさがりの私でも手軽に作っています。

 

 

ところが、その手軽さが嘘のように粕汁には深い美味しさがあるのです。サバの魚臭さが酒粕や根菜の香りで消えるのです。粕汁は、サバや根菜と酒粕の旨みが合ってとても美味しく温まります。

 

 

今でも粕汁を作ると、底冷えのする寒い時期、祖母の作った粕汁を、家族が「美味しい美味しい」と言って食べていた光景が目に浮かびます。そして、中学生だった私が、「大人の味が分かるようになった」と感じた母の粕汁を懐かしく思い出すのです。

 

 

酒の絞りかすとブリや鮭のアラ、どちらも捨てられることもある食材を生かした粕汁には、ものを大切に最後まで使い切る京都人の知恵が込められています。

 

 

 

 

京都の知恵が詰まった粕汁で、寒い夜に心温まるひとときを。きっとあなたの食卓にも、京都の冬の味わいが広がることでしょう。

 

 

 

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京都在住セラピスト作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

 

 


 <粕汁や京都の家庭料理について書いています!>

 拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』2章では演技を担いだ白味噌雑煮、初午で食べる畑菜と揚げの炊いたん、本ブログでも取り上げた粕汁など、京都の家庭料理や季節の食べ物について書いています。

 

京都の家庭料理

 

村川久夢は、京都生まれの京都育ち。一人の京都人の目を通して、京都や京都人について、拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』に書きました。戦争や政争が絶えなかった京都で、生き抜いて来た京都人の知恵を書きました。また、観光化されていない日常の京都や地元の人に愛されている京都の穴場、食べ物やお店についても新著に書きました。     

 

 「この本を読むと無性に京都に行きたくなる」「この本を片手に京都を散策したい」という感想を多数いただいています。ぜひ、お読み下さい。よろしくお願いします。

 

 

 

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