朝は朝星、夜は夜星~ありがたやの祖母~

二宮金次郎さんについて、「朝は暗いうちから、夜は星が出るまで一生懸命に働いた」と書かれているのを読みました。

ふと、母方の祖母が「朝は朝星(あさぼし)、夜は夜星(よぼし)」と言っていたのを思い出しました。

祖母は貧しい家に長子として生まれたので、子守や家の手伝いで、学校に行けず字が読めませんでした。

でも、とても優しくて無欲で「朝は朝星、夜は夜星」のことば通りに、とても働き者だったことを覚えています。

私たち一家が米原にあった「干拓」と呼ばれていた祖父母の家に行くと、「ようきたな~ようきたな~おまんら(あなたたち)ごはんは食べたんか?」と必ず言いました。

どんなにごはん時でなくても。

私たちが着くころには、待ちきれなくて、何度も外に出て待ってくれていたのです。

 

働き者の祖母は、家のまわりに小さな畑を持っていて、季節の野菜や花を育てていました。

野菜を収穫すると、形のいいものや大きいものは、みんな近所の人にあげてしまい、自分は不格好なものや小さいものばかりを食べていました。

料理をしても、出来のいいものを人にあげて、自分は失敗作を食べていたようです。

一度、母が「おかあちゃん、苦労して育てたんやさかい、お金をもらったらいいのに」というと、祖母は即座に「いや!」と言ったといいます。

祖母には、喜んでくれる人の顔が何よりうれしかったのでしょう。

帰りがけには、ヘコと呼ばれる食糧貯蔵室に私を呼んで、

「おじいには内緒やで」

と言って、お小遣いをくれました。

ヘコは、家の北側にある薄暗くてひんやりした小部屋で、人が一人は入れるような大きな米入れや貯蔵食品の瓶が並んでいて、独特のにおいがしました。

昔は、なぜ祖父に内緒なのかわかりませんでしたが、祖父は自分たちの老後のためにお金を貯めておくようにうるさかったらしいです。

 

祖母は「ありがたや」というのでしょうか、人に何かをしてもらったら、心からうれしそうにしたものでした。

田舎の祖父母の家でちょっとお手伝いをすると、私のほうが恐縮するくらい喜んでくれました。

ちょっとお掃除すると、

「おお~くむが掃除してくれたさかい、家が美しなった! ぴかぴか輝いているほん!」

おはぎ作りを手伝うと、

「手つきがええな~ええ形やほん。信子(母)がさしつけてある(教えている)さかい」

と誇らしげでした。これはちょっと娘自慢もあったと思います。

「裏の~さんが、草引きをてっとうて(手伝って)くれたんや~ほん助かった」と言って、育てたお花を切ってお礼に行く、そんな姿もよく見かけました。

「親切にしてくれた」「いつも気持ちよう挨拶してくれる」とか、些細なこともありがたがって、野菜や花、手作りの貯蔵食品を持って、お礼に行っていました。

 

普段の祖母は質素で飾りませんでしたが、孫の学芸会や行事に行く時などは、パリッとしたパンツスーツを着ていました。

日ごろからこざっぱりしていて、「クラブ美身」というクリームを愛用していて、ちょっと気の張る外出には資生堂のオーデコロン「琴」をシュッとひと吹きしていたのです。

「おばあちゃん、ええ匂いやな。私にもつけて」とねだったりしました。

「この香り、ほん好きや。年いって、むさくるしいとまわりに迷惑やさかい」と言って私にもオーデコロンをふりかけてくれたのです。

 

そういえば、祖母は働くことが大好き。

「若いころ、洗濯が大好きであった。仕事の後、寝んと洗濯しても苦でなかった」と言っていたことも思い出しました。

作物を育てるのも大好きで、母がたまに電話すると、「かぼちゃが大きく育った」とか「菊がきれいに咲いた」とか、うれしそうに話していたそうです。

かす漬け、らっきょう、梅干しなども作っていました。お味噌も自家製で、祖母の手作り味噌と祖母が育てた野菜たっぷりのお味噌汁も本当においしかったです。

祖母は空き瓶などの容器をためて、貯蔵食品もせっせと人にあげていました。

人が心を込めて作ったものを人が、「おいしいね」「きれいやね」と言ってくれるのが、とてもうれしかったのでしょう。

 

私もあの頃の祖母の年齢に近くなってきました。

祖母の裏表なく誠実な笑顔が今も心に残っています。

「私は干拓のおばあちゃんのようにいい顔をしているかな?」とふと自分の顔を見ました。

昼前に起きて、日が昇ることに寝ている夜型の私を見たら、祖母はなんというでしょうか?

きっと、「また昼まで寝てる。よう寝る子やほん」と笑うでしょうか?

でも、私も人に喜んでもらえることがうれしい「ありがたや」の性格は、祖母から受け継いだようです。

毎日書くのが面倒に感じたり、疲れている時は休みたいなと思ったりしても、「ちょっとでも誰かの役に立てたらいいな」とパソコンに向かいます。

「面白かった」「役に立った」「感激した」と言ってもらうのがうれしいのです。

私も祖母のように裏表のない誠実な笑顔のおばあさんになりたいと思います。

(朝は朝星、夜は夜星~ありがたやの祖母~:村川久夢)

 

 

 

 

 

 

 

今まで家族のために生きてきたけれど、そろそろ「✨️自分のために生きてみたい✨️」と思っているあなた。

とは言うものの、「どうせ私なんか無理よ。今からでは遅すぎる」「本当にやりたいこと」が何かわからない……。そんなふうに感じていませんか?

この無料メール講座は、「どうせ私には夢なんて見つからない…」「自分のために生きると言われても、本当にやりたいことがわからない……」と思っているあなたが、メールのワークにそって、自分の気持ちを書きます。

書くことで、自分自身と静かに向き合いながら、今まで気づかなかった「やりたいこと」や「本当の私」を見つけていきます。

講座は、無料でメールアドレスだけで登録できます。いつでも解除OKです。高額な商品やサービスの購入勧誘もありません。安心して下さいね。

メール講座の詳細やご登録は、下記ボタンをクリックして案内ページにお進み下さい。

 

 

 

 

村川久夢の作品ページです。心に響く小説や読む人の心に寄り添うエッセイ、書く力を磨く記事など、多数を掲載しています。ぜひ、ご覧ください。

👇️「村川久夢作品」ページこちらから👇️ 

 



 『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』

 

 

あなたは「どうせ私なんか……」「もう年だから」「今さら遅すぎる!」と思って夢を諦めていませんか?

私は、50代で夫の急死、うつ病の悪化、うつ病のため仕事を失うなど、つらい出来事が重なり、人生の目標を失っていました。

しかし、私が自分の夢を見つけ叶えはじめたのも、また50代だったのです。

「どうせ私なんか……」などの「心の制限」を外して、私が夢を見つけ、叶えてきた経験を本書に具体的に詳しく書いています。

本書を読むと、「50代は夢を実現する年代だ! さあ、やってみよう!」とあなたに実感していただけるはずです。

 

<『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』購入のご案内>

*電子書籍(Amazon Kindle「読み放題」に登録されている方は0円でご購読いただけます。一般価格は550円です)下記ボタンよりお申込み下さい。

 

 *紙の本は、880円(送料210円)です。下記ボタンよりお申し込み下さい。

 

 

 

村川久夢ホームページトップには、最新7ブログ、著書に頂いた感想、村川久夢作品や「ああ、京都人シリーズ」へのリンクも紹介しています。ホームページトップへは、下記ボタンをクリックして下さい。

  

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA