理解されない苦痛は強烈だった~理解がもたらす安心と解決~

 

 

 

とてもつらい症状があるのに、検査結果に異常はなく、つらい症状が理解されない。あなたは理解されないつらさに悩んだことはありませんか? たとえば、頭痛がするのに、検査結果には異常がなく、症状が理解されない。とりあえず、対処療法的に痛み止めだけを飲んでいる等。

   

著名な精神科医で心理学者のカール・ユングは、「『何かが理解できないということは、耐え難い苦痛である』。どんなに辛いことでも、それが『理解できる』ときには、耐えることができる」と述べています。

 

カール・グスタフ・ユング

    

なぜかが理解できないことは、たえられないほど苦しいですね。どんなにつらいことでも、その問題の原因が明らかにされ、「そうだったのか!」と理解できるだけでもホッとします。原因が理解できると解決方法もわかるからです。

   

   

問題の表面的な現象にのみ注目するのではなく、問題を掘り下げ、「そうだったのか!」と理解することが、問題解決につながるのです。

   

   

つらい症状が理解されない経験は、現代でも多くの人が悩むことです。心理学者のカール・ユングも、患者のつらさに気づき、内面の理解が重要であると語りました。

 

 

患者のことを理解できていないと感じたユングは、精神医学の本を読み漁り、心理学者のところに勉強に赴き、患者の話に真摯に耳を傾け、患者を理解しようとするのです。

 

患者の症状にのみ注目するのではなく、患者の話をじっくり聞き、時には本人すら意識していない過去の出来事についてまで知ることが重要であることを学びます。

 

ユングの真摯な態度によって、彼は精神病の人々の世界を知り、理解できるようになるのです。統合失調症者への接近を通じて、ユングは当時の人が理解不能だとして見放した、患者の妄想や幻覚にも「意味」のあることを明らかにし、それを理解することが治療へとつながってゆくことを見出しました。

 

ユングが「患者のことばに耳を傾け、表面だけでなく、内面を理解しようと努めた」結果、患者との信頼関係が生まれ、治療が前に進んだのです。

 

 

私も原因不明の不調に悩んだことがありました。私は典型的な夜型人間で朝起きが苦手なのに、毎朝4時頃に目が覚めるのです。食欲もありません。「どんな仕事したらこんな肩こりになるの?」とマッサージ師に言われるほど、ひどい肩こりに悩まされていました。身体がだるくてしかたがないのです。

 

思い悩んだ末、近所の内科を受診しました。血液検査、レントゲン等の検査は、すべて異常なしでした。検査結果を見た医師は、「異常なしです。大丈夫ですよ」というのです。

    

私がつらい症状について訴えると、医師は検査結果をもう一度見て、、「検査結果に異常ありません。つらい症状は気のせいですよ」というのです! こんなにつらいのに、原因がわからず、耐えるしかないのかと思うと、私は目の前が真っ暗になったように感じました。

 

数週間後、今度は心療内科を受診して、私は鬱を患っていることがわかりました。その時、ものすごくホッとしたことを覚えています。

 

心療内科の医師につらい症状を話すと、それが鬱の身体症状であることもわかりました。私はあまり泣かないタイプですが、その時は、「やっとわかってもらえた!」という安心感で涙がボロボロこぼれたのを覚えています。鬱であることは、喜ばしいことではありませんが、つらい症状の原因がわかったのです。原因がわかれば、対処できます。

 

 

つらい症状を訴えても、理解されず、「気にしすぎ」「気のせい」と言われることほど、つらいことはありませんでした。

 

つらい症状があるのに、原因不明で根本的な対処をしてもらえない場合など、他の医師や病院を受診するのがいいと思います。たとえば、どんなに検査しても身体的には異常がない腰痛が、精神的なものから起こることもあるようです。

 

    

 

 

ユングのように、内面を理解することが、解決の糸口となります。

 

その後、やっと私は信頼できる現在の主治医に出会うことができたのです。主治医が私のことばに真剣に耳を傾け、私のつらい症状を理解しようとしているのを感じました。心からほっとしました。主治医の真剣な態度に「理解されている」と感じたのです。

 

   

主治医はその後も診察のたびに、真剣に私の話を聞き、前回の診察後の症状の変化を尋ね、その症状がなぜ起こっているのか、その症状を抑えるためにどの薬を処方するかを丁寧に説明してくれました。主治医の診察を受けると、理解されているという安心感から、心が軽くなるのです。

   

原因がわからず苦しむ患者に対してユングは、表面的な症状ではなく、患者の話や背景に耳を傾けました。その結果、患者との間に信頼が生まれ、治療が進展することを発見したのです。

 

同様に、私自身も「理解されること」で救われた経験があります。理解されることで、ようやく次のステップに進めるのです。理解は解決のための第一歩と言えるでしょう。

 

 

あなたもつらい症状や悩みに直面したときは、理解してくれる医師や専門家に相談することをおすすめします。理解が解決の第一歩になるからです。

 

 

 

京都在住セラピスト作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

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