明日はおひな祭りですね。写真は私が作った木目込みの雛人形です。木目込人形は京都・上賀茂神社の雑掌が作ったものが始まりと言われています。
<木目込人形の始まり>
木目込み人形は、加茂人形とも呼ばれ、京都・上賀茂神社に使える雑掌(雑事をつかさどる者)の高橋忠重が、柳の木で祭器の柳筥(やなぎばこ)などをつくり、その余材で彫った人形に古い衣装の裂(きれ)を貼ったのが始まりとされています。
ご存知でしたか? 私は知りませんでした。
<京都の高級なみやげ物に>
この人形の作法は、高橋忠重の息子から孫へと受け継がれていきました。通説では、三代目の大八郎は、たいそうな名工として評判高く、「大八郎人形」と呼ばれる数多くの人形を残しています。
初めのうちは「賀茂人形」と呼ばれましたが、名人の大八郎が有名になってからは、「大八郎人形」とか「大八人形」といって京都の高級なみやげ物として、もてはやされました。
現在、博物館などに残されている当時の人形は、どれもかなりよい状態のまま保存されています。これもまた、賀茂人形の特徴です。これは、人形本体が木でできていますから、形くずれがないということでしょう。
<画期的な木目込人形の変化>
明治の初め頃までは、誕生当時のままの技法で、木目込み人形は作られてきました。それは、柳の木を一体ずつ彫刻して仕上げるために、時間と手間がたいへんかかり、制作個数が極端に限られたものでした。
その頃、京都で賀茂人形作りの修行を積んだ人形師、吉野栄吉は「なんとかしてこの人形を一般庶民に普及させたい」という一念でいろいろと研究を重ね、じつに画期的な手法を考案しました。
それは、従来どおりに木を彫って作った人形を原型にして、松やにを利用した鋳型に、桐の木の粉末と生麩糊をまぜ合わせた桐塑を詰め込み、原型とまったく同じ塑像を作り出すというものでした。この塑像は木のように彫ったり削ったりでき、型崩れしない、まさに理想的なものだったのです。
<木目込人形の普及は著しい>
現在、木目込み人形の普及は著しく、雛人形にいたっては衣裳人形と半数を分けるほどまでになりました。私の雛人形もそのひとつです。
まさに、賀茂川のほとりで生まれた柳の人形は、280年の歴史を経て、全国の日本人から愛されるごく身近な人形へと移り変わってきたのです。
<人形に生きた男と女~龍次とるり~>
私が書いた短編時代小説『人形に生きた男と女~龍次とるり~』は、本ブログで紹介しました加茂人形(木目込人形)の歴史からヒントを得て書いたものです。小説投稿サイト「エブリスタ」に投稿しています。下記リンクから無料購読できます。
【小説あらすじ】
江戸文政年間の京都。女であるだけで制約が多かった江戸時代、人形の世界で自由に生きようとした人形師・るり。るりとぶつかり合いながら、るりの才能や情熱を誰より認め理解している兄弟子・龍次。貧しさ、病、孤独に見舞われながらも、愛し合う龍次とるりを描きました。
【頂いた感想】
人形を作る職人の生き生きとした想いと情熱が伝わってきました!るりが女性ながらにして、とても人形への思い入れが強いことも伝わってきました。ワクワクしてスラスラ読めてしまいました。楽しかったです。
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