お彼岸なのでおはぎを買って食べました。亡くなった母はおはぎを作るのが上手で、お盆やお彼岸になるとたくさんおはぎを作って、親戚や友人知人に配っていました。「美味しい！」と言われると喜んで張り切って作っていたことが懐かしく思い出されます。
＜優しかった祖母のおはぎ＞
母方の祖母はおはぎを作るのが上手でした。私たちが母方の祖父母の家に遊びに行くと、帰り際に必ずおはぎを作って持たせてくれました。
祖母は畑で育てた小豆やそら豆で餡を作り、竃さんでもち米を混ぜたご飯を炊いて、炊きあがるとすりこぎ棒でご飯を餅状にして、張り切っておはぎの準備をしていました。
餡と餅状になったご飯が準備できると、母や従姉や私も加わって、ご飯を丸めて餡で包むのです。みんなで100個以上作っていたと思います。
祖母は作ったおはぎを折箱に詰めて、私たちに持たせたり、近所の人に配ったりして、本当に嬉しそうでした。私はおはぎを見ると、祖母や母や従姉とおはぎを作ったことを懐かしく思い出します。
＜おはぎは苦手だった＞
母は、同居していた父方の祖母から台所を任された頃、おはぎを作り始めたように記憶しています。初めは失敗つづきで、私や弟はよく失敗作を食べたものです。
でも、経験を重ねると上手になり、母は祖母よりも上手におはぎを作るようになりました。程よい甘さの形の良いおはぎを作っていました。私もよく手伝わされました。
母は「美味しい！」と言われると張り切って大量のおはぎを作っていました。祖母のように100個以上作っていたと思います。
大量のおはぎ作りを手伝うと、餡ときな粉の匂いに酔ってお腹がいっぱいになるのですよね。おはぎなんて見たくなくなるほど……。
で、おはぎを作り終わって、昼食の時間になると、昼食としておはぎが出て来るのです！なので、母のおはぎ作りを手伝っていた頃、私はおはぎが苦手で、あまり食べませんでした。
＜祖母や母から受け継いだもの＞
私は祖母や母のDNAを受け継がなかったのか、おはぎを作ったことは、ほとんどありません。おはぎが大好きと言うわけでもないので。
でも、買い物をしていて、おはぎを見かけるとつい買ってしまいます。
母方の祖母が亡くなって約40年、母が亡くなって約15年経ちます。おはぎを見ると、張り切って大量に作ったおはぎを、嬉しそうに配っていた祖母や母の笑顔が思い出されます。
私はおはぎこそ作りませんが、張り切って書いた文章に「励まされた！ 」「共感した！ 」と言うことばを頂くと、またせっせと文章を書くのです。書いた文章を読んでもらっている時の私は、祖母や母のように本当に嬉しそうな顔をしていると思います。
祖母や母のDNAを受け継いでいないと思っていましたが、しっかり受け継いでいるようです。買ってきたおはぎを食べながら、そんなことを思いました。
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