子どもの頃、夏になると、近所の駄菓子屋さんでところてんを買って食べたものです。駄菓子屋さんのおばちゃんが作る黒蜜が絶品で、黒蜜をかけたところてんが本当に美味しかったものです。関西人の私には、ところてんは黒蜜が定番でした。
<酢醤油のところてん!>
ところが、大人になって、旅行した時、ドライブインでところてんを食べると、酸っぱいではありませんか!タレが黒蜜ではなく、酢醤油だったのです。けっこうなカルチャーショックでした。
その話をSNSに投稿したら「ところてんは昔から酢醤油で食べている。黒蜜なんて初めて聞いた」と言うコメントがほとんどでした。
調べてみると、ところてんにかけるタレは酢醤油が主流でした。でも、近畿圏は黒蜜が主流ではっきり分かれていました。
<なぜ地域差が生まれたの?>
なぜ地域差が生まれたのかについても疑問に感じて調べました。ところてんが大陸から日本に伝わったのは奈良時代から平安時代初期。
当初はからし酢をかけた食べ方が一般的で、うまみを増すためにしょうゆを足す味付けが全国に広がったと伝えられています。
しかし、都があった奈良、京都では、中国から輸入された砂糖が貴族の間で流行となっていました。その頃、ところてんの風味に合うように、砂糖を使った黒蜜で食べる食べ方が生まれたのではないかと考えられているようです。
<砂糖は薬として扱われていた>
しかし、当時、砂糖は貴重品。砂糖が庶民に出回り始めたのは江戸時代の元禄期に入ってからだったのです。庶民の手に入るようになったとは言え、依然高価だったため、当時は薬として扱われていたのです。
その頃、薬の原料を扱う商人、薬種商は大阪・道修町に集中していたのでした。薬として扱われていた砂糖が庶民の手に入るようになったのも、大阪に薬の卸売り機能が集まっていたからこそだったのです。なので、庶民にも甘味の文化が根付いたのだろうと言われています。
<固定観念を外したら>
ところてんのタレは、酢醤油と黒蜜以外にも、三杯酢、ポン酢等、いろいろあるようです。
関西人の私にとっては、ところてんは黒蜜をかけたおやつですが、酢醤油をかけて、からし等の薬味を添えたところてんは「オカズになるな~!」と思いました。ところてんに千切りの胡瓜と生姜を入れ、土佐酢をかけたら、のどごしも良くて、サッパリしたオカズになると思いついたりしました。
私は黒蜜のところてんが好きですが、「ところてん」→「黒蜜」→「おやつ」と言う固定観念を外したら、黒蜜をかけたおやつとして以外でも、ところてんを美味しく食べられると思いました。
<違いを知る>
「ところてんの原料は天草ですが、天草は東洋医学で胸や胃の熱をとり、口の渇きを癒して暑気あたりを改善する効果があるとされます。ミネラルが豊富で、汗で流れた栄養分を補給することができます。夏にところてんを食べるのは、たいへん理にかなっていることです」(ウェザーニュース:「ところてん」にかけるのは酢醤油?黒蜜?)
ところてんは栄養価でも優れた食べ物なのですね。ところてんの食べ方の違いに興味を感じ、いろいろ調べました。食べ方の違いや地域差を知ることで、ところてんの今までと違った美味しさや食べ方を知ることができるのだなと感じました。
「黒蜜が苦手」「酸っぱいものがあまり好きではない」等がないならば、「酢醤油」「黒蜜」とこだわらず、いろいろな食べ方をすると、新しい美味しさに出会えますよね。
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