「諦める」という言葉に対して、私はあまりよい印象を持っていませんでした。「諦めずに頑張る」「簡単に諦めない」という言葉の方が気持ちにピッタリきます。でも、あるエピソードがあり、「諦める」ことで未練を断ち切れることを知ったのでした。
<未練があって捨てられない>
衣類の入れ替えをした時のことです、クローゼットには20年近く吊るされているスーツがありました。教師だった頃に買ったお気に入りのスーツです。けっこう高かったし、素材も縫製も良いものだし、何より気に入っていました。そのスーツを着て、卒業式や入学式に参列した思い出もありました。
そんなこともあって、ずっと処分出来ずにいました。未練があって思い切れなかったのです。
<やっと思い切りがついた>
私は衣類の整理をしていた時、久しぶりにスーツを着てみました。大好きだったスーツです。ところが、全然似合わないのです。スーツは大切に手入れしていたので、状態は悪くないし、サイズも合うのですが…。
「もう似合わない!着てもワクワクしない!」とはっきりと自覚したのでした。
ショックでしたが、やっとスーツを処分する気になったのです。スーツを諦めたのでした。
<「諦める」とは?>
ちょうどその頃、「諦める」と言う言葉に関して「仏教ウェブ入門講座」というサイトに以下のような記述があるのを見つけたのでした。
【諦めると言えば、普通は、断念したり、悪い状態を仕方がないと受け入れること。しようとしていたこと、無理なことをやめるときに使われます。この「諦める」は本来仏教で「諦観」と書き、「あきらかにみる」が元でした。その「あきらかにみる」がだんだんと「諦める」になったのです。】
私はスーツを諦めた時に、未練や執着を断ち切れない人への感情を思い浮かべました。
<未練を断ち切れない人への感情>
お気に入りのスーツは、素材も縫製も良く、私には、高価でした。着ると気持ちが華やぎました。思い出もたくさんありました。でも、今は着る機会がありません。なのに処分できずクローゼットで放置状態になっていたのです。
久しぶりに着てみて、やっと「似合わなくなった」という現実を「あきらかにみる」ことができたのです。諦めることができたのでした。
その時、未練や執着を断ち切れない人への感情も、この「あきらかにみる」ことが、つまり「諦める」ことが必要なのだと強く感じました。
<明らかに見て未練を断ち切る>
「スーツがもう似合わない」という事実と向き合うのが嫌でクローゼットを整理しませんでした。思い切ってスーツを処分する気になったついでにクローゼット全体を整理しました。まだまだ活躍しそうなカットソーやセーター等が見つかりました。私はなんだかとてもホッとした気持ちになりました。
未練や執着を断ち切れない人への感情も同じではないでしょうか?未練や執着を断ち切れない感情と思い切って向き合って「あきらかにみる」ことができたら、つまり「諦める」ことができたら、気持ちに整理がつくのです。そして、今まで埋もれて気づかなかった自分の魅力や強みを見つけ出せるのだと感じました。
物事を明らかに見る、つまり諦めてこそ、未練を断ち切ることができるのです。自分の魅力や強みに気づくことが出来るのです。
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