「おかあちゃんは、だんご汁が好きやったな~」と母のだんご汁を思い出しました。

実は夕食直前に、ご飯を炊いていなかったことに気づいて、慌てて「花山うどん」の「鬼ひも川」を茹でて、胡麻みそダレで頂いたからでしょうか?
鬼ひも川をご存知ですか?

「鬼ひも川」は茹で上がると、幅が約5cmにもなる幅広うどんです。その食感は、もちもちしていて、私はうどんより、お団子をイメージします。
鬼ひも川の食感から、母のだんご汁を思い出したのでしょう。
母は、私が高校生くらいの頃、やたら祖母の手料理を懐かしがって作っていました。
敗戦当時、10歳だった母は、戦中戦後の食糧難時代を生き抜いて来ました。お米を食べられなくて、お芋やだんご汁を食べたとよく言っていたものです。
母の話では、お芋や汁団子を食べられたらいいほうで、お芋のツルや食べられる雑草、イナゴも食べたと言っていたのも覚えています。
食糧難の時代、祖母が作っただんご汁がきっと美味しかったのでしょう。
母のだんご汁は、小麦粉に少量の塩を加えて水で溶いただけのタネを、おみそ汁にポタポタ落とすだけの、大胆なだんご汁でした。
手間を惜しまず、料理していた母だったのに。
母のだんご汁を食べたのは、父や弟が不在で、母と私の二人だけの時だったように覚えています。

たまには母も手を抜きたかったのでしょう。
お味噌汁に不格好なだんごが浮かんだだんご汁に、母は天かすを少し入れて、薬味に刻みネギと七味をかけていました。
寒い時期だったからか、母の手抜きだんご汁は、けっこう美味しかったです。
本ばかり読んでいた私は、家事や手芸が得意だった母に、「この子は本ばかり読んで!」とよく叱られたものです。
そんな母が窮屈で反発したこともありましたが、今は、母が祖母の手料理を懐かしがったように、母の手料理がとても懐かしいです。

お互いに頑固で、手先はそこそこ器用なのに、愛情表現が不器用な私たちは、よくぶつかって、ひどく悩んだ時もありましたが、60代になった今は「超えたな~」と思います。
鬼ひも川を食べて、母の珍しい手抜き料理を思い出した私でした。
(母のだんご汁~たまには手抜きしたかったんやろうな:村川久夢)

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