【ああ、京都人】京都は好かん!~九州男児と京女~

京都はそれだけでブランド効果があり、好まれますが、同時に嫌いな人も多いかと思います。

 

東本願寺と京都タワー

 

私の身近にも「京都は好かん!」と言っていた人がいました。

子どもの頃、近くに住んでいたこともあって、わが子のように私を可愛がってくれた九州男児の叔父です。

生粋の京女である叔母(父の妹)と文化の違いもあって、よく夫婦ケンカをしていたことが思い出されます。

 

若い頃、九州で漁師をしていた叔父は京都が好きではありませんでした。

若い頃は漁師だった叔父

叔父は、お正月に食べる「芋棒」の棒鱈や、京都の昔ながらの家庭料理に使われるニシンを、「ネコマタギ」と言って、絶対に食べませんでした😀

内陸の京の都では、遠くから運ばれてきた棒鱈、ニシンは、時間と手間をかけた価値のある、特別な食材として扱われました。

乾燥した固い食材を、何日もかけて水で戻し、味付けする「手間ひま」こそが、京都の食文化における美意識に繋がっていったと言えます。

芋棒

 

でも、新鮮さが命の海の幸を知る漁師だった叔父から見れば、その干物(棒鱈やニシン)は、「ネコマタギ」(猫すら跨いで通るほどの食べ物)なのです。

新鮮さが命の海の幸

芋棒も身欠ニシンの料理も「手間ばかりかかって美味しくないもの」と映ったのでしょうね。

これは、「内陸文化」と「漁師文化」の価値観がまったく違っていることを表しているのだと思います。

また、叔父は出かけるときの「行ってきます」に対して、叔母が「おはよおかえり」と言うのも嫌っていました。

機嫌よくでかけるのに、「早く帰って来てね」は鬱陶しい。「行ってらっしゃい」でいいのにとよく言っていました。

「おはよおかえり」は、「(何も問題なく)早くお帰りなさい」という意味が込められた、「気遣い」と「心配」の表現でした。

叔母は生粋の京女なので、ごく自然に「おはよおかえり」と言っていたのでしょう。

実は叔父は、お酒と綺麗な女の人が大好きで、「京都は好かん」ようでしたが、京美人は話が別だったのです。

べっぴんさんは好きだった

べっぴんさんとお酒がたくさんある場所に出かける時、叔母の京都的「おはよおかえり」は、婉曲で、嫌味たっぷり。重い圧力があって、まさに「鬱陶しさ」の極みだったでしょう。

今、叔父が出かける時の二人の様子を思い出すと笑えます。

京都人にとって「段取りの良さ」は美徳です。土壇場になってゴチャゴチャするのは「野暮なこと」と嫌うのです。

ところが、叔父は「出たとこ勝負」みたいな感じなんですね。そんな二人の文化の違いは、普段の生活にもよく表れていました。

「出たとこ勝負」と言うと、大学生だった時、叔父一家と一緒に九州旅行に連れて行ってもらった時のことが思い出されます。

乗り換え時間が数分しかなく、その乗り換え電車を逃すと、次は1時間以上後にしかこないのです。

田舎の駅で時間つぶしできそうな場所もなく、次の電車に乗るために、大きな旅行鞄をもって、階段を猛ダッシュで上がって下りて、電車に飛び乗ったことがありました。

京男で段取りマンの父が仕切っているわが家では、経験できないスリルでした!

京都人が「段取りの良さ」を重んじる背景には、公家社会や茶道、華道といった伝統文化があります。すべての所作や手順に意味があって、それを乱すのは野暮で無粋!

 

しかし、漁師だった叔父にとっては、あらかじめ決めておいても、漁に出ると、天候や運に左右されることの方がずっと多かったのだろうと思います。

計画通りでなくても、結果オーライ。叔父は機転もきき、体力もあったので、「出たとこ勝負」でもカバーできると考えていたのでしょう。

九州男児の叔父と京女の叔母の価値観が合うはずもなく、よく夫婦ケンカをしていました。

 

ある時、泊りがけで叔父夫婦の家に遊びに行ったんです。

2歳年下の従妹は早々と寝てしまったのですが、私が寝つかれずにいると、叔父夫婦が夫婦ケンカを始めたのです。

盗み聞きするつもりはなかったのですが、私は一部始終を聞いてしまいました。

ふいに叔父が「久夢!まだおきとるんか!?」と言ったので、「うん」と答えると、

「こいつ全部聞いとった、お祖母ちゃんに言うなよ!」と言って笑ったのも思い出しました。

子どもの頃は、「なんでこんなによく夫婦ケンカするの?」と謎でした。

でも、私も福井県出身の夫と結婚して、同じ日本に生まれても、地域文化は違うのだと実感し、叔父や叔母の気持ちがわかるようになりました。

たとえ同じ地域に生まれても育った家庭によって文化が違うので、夫婦ケンカは文化衝突なのでしょう。

月日は流れ、叔父も叔母も亡くなり、私も従妹も還暦を過ぎました。

夫婦げんかの後、「お祖母ちゃんに言うなよ」と言った叔父のバツの悪そうな笑顔が懐かしく思い出されます。

(【ああ、京都人】京都は好かん!~九州男児と京女~:村川久夢)

 


 

 

 

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