私の愛した猫たち~喪失と再生~

あなたは猫が好きですか?私は猫ちゃん、大好きです。

一昨年の今頃は、愛猫ピユ(当時19歳)の体調が悪くなり、毎日動物病院に通っていました。でも、懸命な治療の甲斐なく、ピユは亡くなってしまいました。

私はこれまでにチャオ、ミロ、クム、マゼ、ピユ、クロの6匹の猫を飼いました。最後の1匹がピユでした。

一緒に暮らしてくれた猫たち

ピユを失った後、私はペットロスからうつ病を再発し、8ヶ月も寝込んでしまいました。猫たちが恋しいです。猫の瞳、手触り、温かさ、匂い、そのすべてが懐かしいです。

私は現在64歳で家族は弟だけです。もし新たに猫を飼ったとしても、その猫が高齢になったとき、私自身も年老いており、十分に世話ができるか不安です。

そして何より、またあのペットロスを経験するのが怖くて、新しい猫を迎える決心がつきません。

今日は、「猫と暮らすこと」そして「動物との別れのつらさ」について書きたいと思います。

 

私が飼った6匹の猫の中で、ピユは私に一番なついてくれ、最後まで私のそばにいてくれた猫でした。

母猫のクムがピユを産んでから、ピユが亡くなるまで、ずっと一緒に過ごしました。

ピユたちが生まれた頃、私は急性期のうつ病を患っていて、寝ているだけでもつらく、何も感じることができませんでした。

母猫クムとお昼寝する子猫たち

でも、赤ちゃん猫が育っていく姿は愛らしくて、見ても見ても飽きることはありませんでした。

どの猫も本当に可愛くて、まさに「猫かわいがり」していました。

人間にはなかなか心を開けない私ですが、猫たちは無条件に愛せたのです。

でも、猫たちはいたずらで、家中の壁を爪で引っかいてボロボロにしたり、あちこちでおしっこをして臭くなったり、畳んだばかりの洗濯物の上に乗ったり、ティッシュを一箱全部引っ張り出して部屋中にばらまいたり……。

それでも、憎めなかった。可愛くて仕方がなかったのです。

 

子猫は心をとろかすほど可愛く、可愛さに心を奪われていた時は、やがて猫たちが私を追い越して年を取り、先に逝ってしまうなんて考えもしなかった。

別れ、それは本当につらい。

最後に残ったピユは、食欲が細り、餌を食べなくなったのです。毎日動物病院に通って点滴を受けていました。

それでもどんどん痩せていき、固形の餌はまったく食べなくなったのです。液体の餌をシリンジで無理に飲ませるしかありませんでした。

嫌がるピユに猫パンチや猫キックをされ、シリンジが飛んでしまうこともたびたび。薬を飲ませるのも大変でした。

やせ細った後ろ足では立ち上がれなくなり、這うようにして家の中を移動して、あちこちにおしっこを漏らしてしまいました。

その頃の私は、ピユに餌をあげ、薬を飲ませ、漏らしたおしっこを拭く毎日。

「生きていてほしい」その一心でしたが、嫌がるピユに餌を飲ませる時、点滴や腹水を抜くために動物病院に行く時は、「ピユを苦しめているだけではないか」と悩む日々でもありました。

点滴してもらうために毎日動物病院に

無理やり給餌をすると、ピユは一時的には少し元気を取り戻すのです。でも、それも長くは続きませんでした。

1ヶ月半、必死に介護しました。

実は、ピユより元気だった、ピユの母であるクムも弱り始めていたのです……。私はピユの介護にかかりきりで、クムにも気をくばり十分に世話をしてあげることができませんでした。

ピユを動物病院から連れて帰って来た時、クムがよろよろと近寄ってきました。苦しそうに息をして、私のそばでバタンと倒れたのです。

美猫で我慢強かった母猫クム

「クム! クム!」と大声で呼んで、クムの体を揺さぶりましたが、クムはもう二度と目を開けませんでした……。

可愛らしくて我慢強かったクムが先に死んでしまい、母の後を追うように、1週間後にはピユも亡くなってしまいました。

お転婆だったピユ

約20年間、いつも私のそばにいてくれた猫たち。猫たちを失った悲しさと寂しさは計り知れず、涙も出ないほどでした。

その悲しみと寂しさが、私の心身をむしばんでいったのです。ピユが亡くなった後、私は激しい胃痛と頭痛に見舞われ、心療内科で治療を受けました。

身体の痛みは1週間ほどで和らぎましたが、精神的な痛みは簡単には癒えず、私は8ヶ月間、うつ状態で寝込むことになったのです。

あれから2年。私はなんとか元気を取り戻しました。でも、写真や動画で猫を見ると、私の猫たちが恋しくて、触りたくてたまらなくなります。

 

新たに猫を飼いたい気持ちはいっぱいですが、踏み切れません。別れがつらすぎるからです。

猫たちを失い、孤独に沈み込む日がつづき、ようやく体調が戻りはじめた頃、心がふと嬉しい、楽しいと感じる瞬間がありました。

それは何かを「作る」時。刺し子で布巾を縫ったり、絵手紙を描いたり、自分の俳句や短歌を筆で書いたり、消しゴムはんこを作ったり。

猫たちを失って、何も感じなくなっていた心が少しずつ動き始めました。そして、何かを作ることも楽しいけれど、「私が本当にしたいのはこれじゃない」と思いはじめたのです。

刺し子の布巾

猫たちがいなくなって一人になっても、「書いて表現すること」が、私の喜びなのだと気づきました。

書いて表現することが私の喜び

猫との別れは、本当に本当につらかった。何も感じられなくなるほど。でも、だからこそ「私が本当にしたいことは何か?」と真剣に向き合うことができたのです。

これからは、猫や動物を飼うことはきっとないと思います。猫たちを可愛がっていたエネルギーを、私のエネルギーも時間もすべて「書くこと」に注いでいきたい。

私の猫たち

そう決意したのでした。猫たちの死がそう決意させてくれたのです。

 (私の愛した猫たち~喪失と再生~:村川久夢)

 

 

 

 


 

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