心の復元力とは?つらい時でも折れない心を育てる方法

 

 

 

 一貫して徹底している人は偉いです。でも、一貫できないこと徹底できないこともありますよね? 心が折れそうな時にこそ知ってほしい「復元力」について書いたブログです。

 

「ぶれない」と言う言葉をよく耳にした時期がありました。「全然ぶれていない!」「ぶれがまったくない!」のように。

 

「ぶれない」の意味を国語辞典で調べてみると、「一貫性があること」「徹底していること」と説明されていました。たとえば「ぶれない人」について調べると、「ぶれない人」は、次のような人を指すようです。

 

「ぶれない人」とは、自分のなかで決まっている価値観に沿って生きる人のこと。自分の持っている価値観に対して、他人から反対意見をいわれたり、状況的に達成するのが難しい場合だったりすると、多くの人は「自分が間違っているのか」と気持ちが揺らいでしまうでしょう。しかし、ぶれない人は他人の意見や状況によって、価値観が変わることはありません。

 

社会では「ぶれない人」が賞賛されます。ぶれないことで信頼を勝ち取り、成功を収める。しかし、その裏にあるプレッシャーや、追い込まれた時の脆さについては、あまり語られることはありません。

 

ぶれない人

   

 

しかし、その頃、私は「ぶれない」に少し抵抗を感じました。確かにぶれない人は偉いです。信念や自信が一貫していて徹底しているのです。ぶれがないのです。それは素晴らしいことだと思います。

 

でも、ぶれてしまうこともありますよね? 自分の価値観を見失いそうになる時、失ってしまう時、徹底できない時も。「ぶれること」を経験することが誰にでもあるはずです。ぶれることはそんなにダメなことなんでしょうか?

 

 

 

 

 

私は一途で「ぶれない」子どもでした。高校生の頃は、小説を読むことが大好きで、その頃は、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』に心酔していたのです。「大学の英文科に行って、『ジェーン・エア』やシャーロット・ブロンテの研究をしよう」と心に決めていました。

 

経済的に余裕がなかったので、奨学金をもらって大学に行き、本当に熱心に勉強したのです。その頃は、バブル全盛時代でしたが、遊ぶことには目もくれず、勉強一筋だったのです。

 

 

勉強一筋

 

卒業後は、中学の英語教師になりました。教師になってからも、授業研究や自身の英語学習に真面目に取り組み、「ぶれない人」でした。私には程よい遊びがなかったのです。休みなく過労気味になるまで働くこと。それがまるで美徳であるかのような妄想にとらわれ、限界ぎりぎりまで働きました。

 

 

その結果、私は鬱になり、倒れてしまったのです。あの頃の私は、「ぶれない人」でした。がっしりと強くぶれない木のように見えていたかもしれません。でも、私はあっけなく倒れてしまったのです。

 

鬱になってしまった……

 

 

それが、私の「ぶれぶれ」生活の始まりでした。休職復職を繰り返して、ついに教師の仕事を辞めざるを得なくなったのです。鬱の影響で、集中力や記憶力が鈍り、簡単な単語の綴りを思い出せなかったり、生徒を指名して、直後に誰を指名したか忘れてしまったりしたのです。英語を教える自信を失い、ついには辞めざるを得なくなったのでした。

 

当時の管理職は、休職している私の自宅に来て、私がどんなに能力のない教師で、生徒も同僚もどれほど迷惑しているかを、くどくど述べました。退職するように何度も何度も説得されたのです。私は、「もう二度と英語とも学校とも関わらない!」と心に決めて退職したのでした。

 

退職すると、家に引きこもり、その頃流行っていたチャットで、チャット仲間と深夜までおしゃべりするのが、唯一の気晴らしだったのです。ネット三昧の生活で、絵に描いたような「ぶれぶれ」生活に陥っていました。

 

 

 

「英語には二度と関わらない」と決め、「ぶれぶれ」の私でしたが、ある時、オンライン英会話を始めました。体験レッスンで、フィリピン人の先生と英語で会話したのが、思いの外、楽しかったのです。気晴らしと暇つぶしで始めたオンライン英会話でした。

 

 

 

 

ある時、私を担当していたフィリピン人の先生が ”resilient” と言うことばを教えて下さいました。”resilient” は、「はね返る、弾力のある、たちまち元気を回復する」と言う意味があるのです。

 

フィリピン人の先生

 

先生は ”resilient” と言う言葉を使って、「フィリピンは貧しい国だけれど、私たちには『復元力』がある。つらいことがあってもへこたれない」とおっしゃいました。「ぶれぶれ」生活をして、自分を失っていた私には、とても心に残る言葉でした。

 

私の頭に柳の枝が浮かびました。たわんで今にも折れそうだけれど、しなやかで折れない柳の枝です。柳の枝は強風に耐え、たわんでも決して折れないように、私も再び立ち上がる力を得たように感じたのでした。

 

たわんでも折れない

 

気晴らしと暇つぶしで始めたオンライン英会話でしたが、私は少しずつ熱心に英語に取り組むようになりました。先生との会話で、興味深く感じたことや気づいたことを、レッスン後、ノートに英文で書くようになったのです。ひっくり返すように辞書を何度も引いて、文章の中で、どのように使われるか英文例も一生懸命に調べました。

 

 

それをまとめて英文エッセイにし、レッスンで先生に添削してもらいました。英語版のあるブログサイトに英文エッセイを投稿するようになりました。もう、気晴らしでも暇つぶしでもなく、英文エッセイを書くことが、生活の核になったのです。

 

 

英文エッセイを書く

 

しばらくすると、いろいろな国の人が、私のブログを読んでくれるようになりました。ドイツのネット版大学新聞に私のエッセイが取り上げられたこともあったのです。私は英文エッセイを書くことに夢中になり、英語がとても楽しくなったように感じました。

 

 

英文エッセイを書くうちに、「日本語でもエッセイを書いてみたい!」と思うようになりました。子どもの頃から、お話を書くことや作文が大好きだったことを思い出したのです。学校の成績も、英語より国語の方がずっと良く、日本語の文章を書くことが、私はとても好きなのです。

   

そしてついに、日本語のブログサイトに日本語エッセイの投稿を始めました。次第に小説も投稿するようになったのです。誰も読んでくれないと思っていましたが、投稿を続けるうちに、読んでくれる人の数も常連さんも増えてきました。コメントなどを頂くと、本当にうれしく感じたものでした。

 

 

 

 

その頃は、作家になりたい自分の夢には、まだ気づいていなかったのですが、後に、私が作家を目指して、ブログにエッセイや小説を投稿するようになった源流は、この英文エッセイにあったのです。その後、私は毎日、ブログを書くようになり、ブログ原稿をもとに、三冊の本を出版することができました。

 

村川久夢の著書

 

 

「ぶれない人」だった私は、一度、ボッキリ折れて倒れてしまいました。もうダメだと思いましたが、フィリピン人の先生が教えて下 ”resilient” ということば。そして、「フィリピン人は、『復元力』があって、へこたれない」とおっしゃっていたことが、「ぶれぶれ」だった私の心に大変強い感銘を与えてくれたのでした。

 

私は一途でぶれなかった若い頃より、ぶれることを経験して、自分が強くなったことを実感しています。たわんだけれど、復元できたのです。ぶれて大きく曲がっても、また自分の信念や自信を取り戻すこと、復元することが大切ではないでしょうか? ぶれて大きくたわんでも、復元できる力は強靭なのだと感じています。

 

強くなった

 

どんなにぶれても、再び立ち直る力が私たちにはあるのです。心が折れそうな時、あなたも復元力を信じてみませんか? あなたが思っている以上に、心はしなやかで、強いものなのです。

 

 

京都在住セラピスト作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

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