基本が完璧に出来るまで実践しないなんて意味がない！

　

　

かぎ針編みが全く初めての人に、糸のかけ方、かぎ針の持ち方から教えてあげることがあります。その時、基本中の基本を教えることは本当に難しいことなんだなと痛感します。

　

基本は非常に大切です。でもそれは、基本が完璧にできるまで、作品を編まないと言うことではないのです。

　

＜初めから上手な人はいない＞

基本的な糸のかけ方や編み針の持ち方を教えてもらっても、すぐにその形で編める人はいません。みんな手も身体もカチカチにして編み始めます。いつの間にか針を持つ手はとんでもない形になり、糸をかけている手もへんてこりんな糸のかけかたになっています。

　

編み進める内に、編むことに慣れて少しずつ編めるようになるのです。

　

　

　＜基本がマスターできたら？＞

私はかぎ針編みの基本の編み方、鎖編み、細編み、長編みが編めたら、アクリルたわしやシュシュなどの簡単な作品を編んでもらいます。糸のかけ方、針の持ち方は、編み進めながら、正しい形を覚えてもらいます。

　

以前、ある編み物教室の体験レッスンに行った時、全くの初心者の方と一緒になりました。その人はレッスン中ずっと一番基本の鎖編みを何メートルも何メートルもひたすら編んでいました。

　

先生は糸のかけ方、針の持ち方、編み目の揃い方等をチェックされていました。「針の持ち方ができていません」「糸をかける位置が違います」「鎖編みの編み目がまだそろっていません」「鎖編みがマスターできたら、作品を編みましょう」と先生が言っておられました。

　

教え方は人それぞれですが、「楽しくないやろうな～！」と思い、私は初心者の人に深く同情しました。

　

＜達成感がモチベーションに＞

「あの初心者の人はきっと、『私は不器用にだから、鎖編みも編めなかった』とコンプレックスを感じて、編み物を嫌いになってしまうだろうな…」と悲しく思ったことを覚えています。

　　　　　

どんなに目が不揃いでも不格好でも一つ作品を完成出来た時の嬉しさ、達成感、それが次へのモチベーションになるのです。

　

「次は◯◯が編みたい」

「もっと綺麗に編みたい」

「もっと上手になりたい」

　

と思ってこそ、どんどん編むようになって、編むことで基本をマスターして、上手な編み方を習得すると私は思います。

　

どんどん作品を編んで経験を重ねて、基本の針の持ち方や糸のかけ方が、綺麗に効率的に編めて、手や身体への負担が少ないことを実感するのです。

　

　

　＜実践することで確かな基本が身につく＞

編み物をしていると、「編み物は人生に通じるな～！」とよく感じます。編み物だけでなく、基本は大切です。でも、基本が完璧に出来るまで実践しないなんて意味がないと思うのです。

　　　

編み物教室で一緒になった初心者の人にとって、きっちり目の揃ったかぎ針編みの紐が何メートルも編めるようになったとしても、それに何の意味があるのでしょう？

　

作品を編んで、目が揃わなくて解いたり、編み間違って解いたり、編んだり解いたりしながら、上手になるように、人生も間違ったり、失敗したりしながら、人は成長するのです。

　

　　

　　

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