【忘れられないバレンタイン】愛を与える素晴らしさに気づいた日

   

 

バレンタインが近づいて来ましたね。夫が亡くなってから、バレンタインはクリスマスやお正月の次に嫌いな日でした。自分の孤独を痛感するからです。でも、そんな私が孤独を乗り越えるキッカケになったのは、意外にもバレンタインだったのです。

   

<幸せなバレンタイン>

生前、夫はバレンタインになると職場の女性から義理チョコを沢山もらって来ました。義理チョコなのに高級チョコレートばかりで、なかにはベルギーやフランスの有名ブランドのチョコレートもありました。私も高級チョコレートを買って夫に贈りました。

 

 

 

バレンタインには夫と二人で、普段は食べない高級チョコレートを美味しく頂いたものでした。それは、ささやかですがとても幸せな時間でした。

 

<悲しみと孤独を思い知らされる日>

しかし、夫の突然の死が、バレンタインという幸せなイベントを悲しみと孤独を思い知らされる苦痛の日に変えました。

 

バレンタインは、お正月やクリスマスに次いで、私の嫌いな日になりました。幸せそうなカップルや家族の姿が孤独な私の胸に突き刺さりました。

 

 

 

<信頼できる仲間ができた>

暗い毎日を過ごしていた私でしたが、ある時、習いごとを始めました。何かを習うことは悲しみに心を閉ざしていた私を少しずつ癒やしてくれたのでした。習いごとを通して信頼できる仲間に出会うことができました。

 

習いごとを始めた年のバレンタインは偶然にも稽古日でした。先生が稽古後にお茶会を計画して下さることになりました。

 

<かぎ針編みのプレゼント>

かぎ針編みが得意な私は、先生やお友だちにバレンタインのプレゼントとして、かぎ針編みの栞を編んでプレゼントすることを思いつきました。

 

かぎ針編みの栞

 

私はバレンタインに向けて一生懸命に栞を編み、バレンタインの前日にプレゼントを全て編みあげることができたのです。完成した時は感激でした。

 

あんなに嫌っていたバレンタインを楽しめるようになったのです。そんな自分に驚きと嬉しさを感じたのでした。

 

 

 

<愛を与えることの素晴らしさ>

かぎ針編みのプレゼントを贈った時、みんなとても喜んでくれました。長らく忘れていたバレンタインの幸せをその時感じることが出来ました。誰かと一緒にバレンタインを祝う喜びを思い出すことができたのでした。

 

 

この年のバレンタインは、私が孤独を乗り越えることができた忘れられないバレンタインになりました。孤独感に悩み愛を求めていた私が、愛を与えることの素晴らしさに気づいた日になったのでした。

 

京都在住セラピスト作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

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