サン・テグジュペリ『星の王子さま』を読んでいると、下記のような一節があり、印象に残りました。書き出してみますね。
もしあなたが大人たちに対して、「バラ色のレンガでできた、とても美しい家をみました。窓にはゼラニウムの花が飾ってあり、屋根には鳩がとまっていました」と言っても、大人たちは、それがどんな家なのか全く見当もつきません。
その代わりに、あなたがこう言ったとしましょう。「一億二千万円の家を見ましたよ」すると、彼らはこう言うでしょう。「それはあさぞかし素晴らしい家だったでしょう!(中略)大人って、そんなものなのです。大切なことは何もわかっていません」(サン・テグジュペリ『星の王子さま』より)
私はカレンダー上の年齢は、十分に大人です。でも、「バラ色のレンガでできた、とても美しい家をみました。窓にはゼラニウムの花が飾ってあり、屋根には鳩がとまっていました」と誰かが言ったら、
「それは素敵ね。バラ色のレンガもいいけれど、朱色でもきっと綺麗でしょうね。窓は開いていた? 閉じていた? ゼラニュウムの花は風に揺れていた? 鳩はどんな声で鳴いていた? あなたは、その時、どんな気持ちだった?」と尋ねてみたいと思います。
美しい家を自分の心の中でも描いてみたいです。
素敵な家の価値を表す時、数字は便利です。でも、数字にしか関心がない大人ではいたくない。
本当に大切なものは、目に見えないことを知っている大人になりたいです。目に見えない大切なものを見ようとする大人でありたいです。
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