御所ことばとは宮家や公家に仕えた女房(女官や侍女)らが用いた言葉です。京ことばは、もとは「御所ことば」「町方ことば」の2つがあったそうですが、この2つが混ざり合い、変化しながら、現在の京都ことばになったようです。雅やかな御所ことばを調べてみました。
<今も使われている御所ことば>
言葉は生き物なので、時代とともにどんどん変化するのだなと感じます。京ことばももとは、お公家さんが使う「御所ことば」と庶民が使う「町方ことば」の2つがあったそうですが、この2つが混ざり合い、変化しながら、現在の京都ことばになったようです。
御所ことばの食べ物に関する表現を調べてみました。調べてみると、私たちが今、使っていることばの中にも、もとは御所ことばだったものがけっこうたくさんあります。例をあげてみますね。
【今も使われている御所ことば】
おむすび=お結び、おにぎり、握り飯
おこわ=強飯(こわめし)、御強(おこわ)、赤飯
おこうこう=たくあん、香々
おじや=雑炊、「じや」は煮える音
おつくり=刺し身、「刺し」は忌み言葉
おみおつけ=御御御付(おみおつけ)、「つけ」は吸い物のこと
おひや=水、冷水(ひやみず)
うのはな=卯の花、おから
おしたじ=醤油
<「畳語」寒い寒い!暑い暑い!>
それから、御所ことばの特徴のなかに畳語(じょうご)があります。
【畳語(じょうご)】
同じ単語または語根を重ねて一語とした複合語。意味を強めたり、事物の複数を示したり、動作や作用の反復・継続などを表したりする。(「デジタル大辞泉」より)
御所ことばの食べ物の言い方にも畳語が見られます。
するする=するめ
かずかず=かずのこ
まんまん=おまんじゅう
いりいり=炒り豆
いしいし=団子、「いし」は美味しいの意味
おかか=鰹節
御所ことばに見られる畳語について書いていて、物をしまうことを「ナイナイする」、歩くことを「ヨイヨイする」、手ぬぐいのことを「テンテン」、お風呂のことを「チャイチャイ」と言った幼い日のことが蘇ってきました。
御所ことばの畳語が庶民にも伝わったのかも知れないですね。京ことばには、繰り返して強調する特徴がありますが、これも御所ことばの影響だと思いました。
<御所ことばの特徴>
御所ことばには次のような特徴があります。
【御所ことばの特徴】
1)語頭に「お」がつく
2)語尾に「もじ(文字)」をつける
3)形や色などの特徴を言う
4)略したり繰り返す
5)忌詞(いみことば)を避ける
6)直截な言い方を避ける
7)同音異義語が少なくない
御所ことばの特徴を上げると、京ことばの特徴が感じられます。そして、御所ことばの食べ物の表現を見て、普段何気なく使っていることばの中に、御所ことばが生きていることを興味深く感じました。
※『雅やかな大和言葉「御所言葉」を上品に話す』(主婦の友インフォス)を参考にしました。
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