【ああ、京都人】「しっぽくうどん」とは?~食文化の伝播~

「しっぽくうどん」をごぞんじですか? 

「しっぽくうどん」は、甘く炊いた椎茸、蒲鉾、湯葉や板麩、三つ葉などの具が乗せられた、彩り豊かなうどんです。

しっぽくうどん

京都のうどん屋さんでよく見かけるので、京都発祥かと思っていましたが、その起源は意外なところでした。「なんで魔」の視点から、その由来を探ります。

 

「しっぽくうどん」は、京都のうどん屋さんでよく見かけるので、京都発祥だと思っていました。でも、調べてみると、発祥は京都ではありませんでした。

「しっぽくうどん」の語源は長崎の郷土料理「卓袱料理」だったのです。


卓袱料理」とは?》

卓袱料理は、鎖国時代に唯一開かれていた国際貿易港である長崎で、外国の文化と日本の文化が交わって生まれた国際色豊かな宴会料理です。

卓袱料理

「中華料理」からは、角煮、春巻き、ふかひれなどの調理法と、円卓を囲む大皿料理のスタイル。

「オランダ料理(西洋)」からは、コンソメスープや洋風の肉・魚料理の一部。

「日本料理」からは、魚介類を中心とした日本の食材や、刺身、吸い物など、懐石料理の要素。

これら中華・オランダ(西洋)・日本の料理は、長崎で融合して卓袱料理が生まれました。

 

長崎「卓袱うどん」

卓袱料理の中には、麺の上に具材をたくさん乗せた一品があり、これが「しっぽく」ということばとともに上方へ伝わる土台となりました。

 


長崎で生まれた和・蘭・漢が融合された「卓袱料理」は、江戸中期に海路を通じて上方(特に大阪)に持ち込まれ、洗練された「上方料理」の影響を受けました。

長崎:卓袱料理発祥
上方に伝わる

上方では、この具沢山のスタイルが、うどんやそばに応用されて「しっぽくうどん」として定着したと考えられます。

京・大坂のうどん屋がいち早く「しっぽくうどん」を売り出し、これを江戸の蕎麦屋さんがアレンジして、「しっぽくそば」になったようです。

 

京都では、椎茸、かまぼこ、筍、湯葉、板麩などを具材として彩り豊かにして、現在でも「しっぽくうどん」と呼ばれています。

大阪では、たくさんの具材を漢方薬の「加薬(かやく)」に由来して「かやくうどん」と呼ばれるようになりました。

東京では、具材で縁起の良い「おかめ」の「顔」を表現して「おかめうどん」と呼ばれるようになったのです。

 

しかし、きつねうどんなどに比べて、しっぽくうどんが注文されることは少なくなっているそうで、そもそもしっぽくうどんがメニューにないお店も増えているようです。

私の隣のテーブルで食事していた若い男性3人は、カレーうどんを食べていました。

カレーうどん

「カレーうどん」も1908年(明治41年)頃、東京の「三朝庵」が、洋食屋に奪われた客足を取り戻そうと考案したものが起源とされています。

「カレーうどん」も「カレーライス」同様、すっかり定着していますよね。今は、しっぽくうどんより、カレーうどんの方が定番メニューになっているようです。

 

なんで魔が実感!

 

ちょっとオーバーかも知れませんが、「こうして食文化は伝わり、その土地や時代に合ったようにアレンジされて、変化して多様になるんやろうな~」と「なんで魔」の村川久夢は実感したのでした。

(【ああ、京都人】「しっぽくうどん」とは?~食文化の伝播~:村川久夢)

 

 

 

 

 《関連記事》

*【ああ、京都人】関西と関東のいなり寿司~形だけじゃない!味付けまで違う

 

 拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』2章では、このように地元京都で愛されている食べ物(白味噌雑煮、粕汁、お茶漬け、たぬきうどん等)についても書いています。下記にて『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』のご案内をさせていただきます。

 

『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』

 

 

<『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』ご案内>

ご購入は下記リンクをクリックして下さい

電子書籍

ペーパーバック

 

 

本書では、京都庶民の日常、いわば素顔の京都を描きました。京都好きな方にはより京都を好きになり、京都に縁のなかった方には、京都に親しみを感じて頂けると思います。

 

*青山華子さんのHPで紹介されました!「村川久夢さんの新刊!<京都の当たり前が覆される一冊>」

*村川久夢プロフィール

 

*村川久夢ホームページトップには、『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』に頂いた感想を多数掲載しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA