93歳の父は、新聞や本を読んだり、漢字や算数のドリルをしたり、テレビを見たりして、穏やかに毎日を過ごしています。特に行きたい場所もなく、欲しい物もしたいこともないようです。父を見ていると「人生の満足度は何で決まるのかな?」と不思議に思います。
<「ありがとう」と言う姿勢>
父が倒れて寝たきりだったある朝、私は寝坊をしてしまったのです。慌てて父の所に行くと、当時、近くで別居していた弟が来て、すでに父の洗面や朝食の世話をしてくれていたのです。
弟に世話をしてもらっていた父は、私の顔を見ると「目薬をさして」と言い、私が目薬をさすと、「すまんな~ありがとう~」と私と弟に手を合わせて言うのです。私と弟が声を合わせて、「良かったな。優しい娘と息子で」と言って3人で笑いました。
その時、父は寝たきりで、冗談を言って笑える状況ではなかったのですが、父の「ありがとう」と言う姿勢に私と弟はずいぶん救われました。
その後、父は3ヶ月間入院して、歩けるようになり、自分のことも自分でできるようになりました。入院中、父が看護師さんやスタッフの方に、「ありがとう」と言って手を合わしているのを何度も見かけました。
<世話をするのは当たり前!>
お父さんの介護をしている知り合いの女性は、介護鬱を患っています。「育ててやったんやさかい、子どもが親の世話するのは当たり前やろ!気の利いた世話も出来んくせに!育ててもらった親にもっと感謝したらどうやねん!」とお父さんが言うらしいのです。
彼女は大人しく優しい人で、文句を言われても、甲斐甲斐しくお父さんのお世話をしています。でも、お父さんはいつも不満たらたららしいのです。お父さんは、思うように動けない苛立ちを、娘に甘えてぶつけているのかもしれません。
考えてみると、介護している知人も大変ですが、お父さんも常に苛々して不幸だと思うのです。
<人生の満足度>
私の父は案外わがままなところもあって、「ご飯こぼした、拾って」「ドア開けて」「杖取って」等、命令形でよくものを言いますが、してもらったら必ず「ありがとう」と本当に嬉しそうに言うのです。その笑顔にみんないかれてしまいます。だから、「ありがとう」と思えと言っているのではないのです。
何もかも一人で全てできる人はいません。人はみんな誰かの助けがあって生きているのです。助けてもらって「ありがとう」と思えるか、不満に感じるかで、人生の満足度がずいぶん変わるのではないでしょうか?穏やかに過ごしている父の姿を見て、そんなことを感じました。
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