これが何かご存知ですか?

実は三つ折りの虫眼鏡(拡大鏡)なんです。私が小さい頃から、祖父母や両親に使われていました。私もおもちゃにして、よく遊んだものです。
▶肌のキメを見るのが面白かった
十円玉の平等院が大きく見えたり、肌のキメまでよく見えたりするのが面白くて、この三つ折り虫眼鏡をよくおもちゃにして遊んでいました。
でも、記憶をたどると祖父母が使っていた姿が一番思い出されます。祖父は新聞を読むのに、祖母はちょっとした縫い目を見るのに使っていたように覚えています。

まだ、30代だった両親が使っていたのも思い出されます。
母は魚の小骨を取る時に使っていたのを、父が三つ折り虫眼鏡を何に使っていたかは思い出せないのですが、この虫眼鏡で何かをじっと見ていた姿はぼんやり覚えています。
▶パソコンのシリアルナンバーが見えなかった
なぜ急に、この三つ折り虫眼鏡が注目されたかというと、新しく買ったパソコンのシリアルナンバーを登録するのに、老眼が進んでいる私は、老眼鏡をかけてもシリアルナンバーがよく見えないのです。

「シリアルナンバーが違っています」とエラーばかり出ました。
数字の0(ゼロ)なのか、ローマ字のO(オー)かD(ディー)か、数字の8(ハチ)かローマ字のB(ビー)かよく見えないのです。
結局、パソコンの外箱に記載されているシリアルナンバーを見て、やっと登録できたのでした。
その時、「今度、100円ショップに行ったら、虫眼鏡を買おう」と思ったことから、100均の虫眼鏡→祖父母の三つ折り虫眼鏡とつながって思い出したのです。
▶楽しむための道具だった
祖父母は二人とも老眼鏡をかけていませんでした。
ともに明治24年生まれだった二人は、尋常小学校しか出ていませんが、祖父は読書家だったようで、祖父が買った阿部泰山先生の本が何冊も残っているのです。
祖母も時々、この三つ折り虫眼鏡で新聞を読んでいました。
父は私と一緒で老眼鏡をかけても見えにくいときに、虫眼鏡を使って本や新聞を読んでいたのです。
父は間違い探しクイズが好きで、認知症になってからも毎週日曜日に掲載される間違い探しクイズを楽しみにしていました。

圧迫骨折で入院した時も、病院にクイズが載った新聞を持って行ったりもしました。
その時、父がこの三つ折り虫眼鏡を使っていたように思います。
▶私も三つ折り虫眼鏡が必要になったんだ
昔は、三つ折り虫眼鏡を遊ぶために使っていた私も、細かい字が見えなくて使うようになったんだなと思います。
年を取って、目も見えにくいし、集中力が衰えて来て、字を読むのが億劫に感じる年齢になっても、祖父母はこの三つ折り虫眼鏡を頼りに本や新聞を読んだりしていました。
父は認知症になってからも、この三つ折り虫眼鏡で間違い探しクイズをしていたのです。
長い間、私の家族と一緒に過ごしてきた三つ折り虫眼鏡は、角が擦れて丸みを帯びています。

三つ折り虫眼鏡の角の丸みを見て、家族と一緒に過ごした虫眼鏡の歴史を感じて、なんだかしみじみと感慨深いです。
(三つ折りの虫眼鏡~見えにくくなっても、楽しもうとした道具:村川久夢)

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