「絶望を砕くのは、忍耐という情熱」〜アラン島の石垣に思いを寄せて

 こんにちは。京都在住セラピスト作家の村川久夢です。

私は、2004年に初めてうつ病を患いました。少し症状が落ち着いた頃、自分の夢を叶える「夢ノート」を書いて、自分を励ましていた時期がありました。

先ほど、その夢ノートを久しぶりに開いてみたら、「岩を砕く」というタイトルのエッセイが目にとまりました。 

それは、当時見たアラン島のドキュメンタリー番組に深く感動して書いたものです。

今日のブログでは、その頃のエッセイをそのままに近い形でご紹介して、「書く」ことが、先が見えなかった私を支えていたことをお伝えしたいです。

 


<エッセイ>

アイルランド「アラン島」

 

「岩を砕く」

岩を砕く

不毛を砕くように

岩を砕く

絶望は最大の敵

忍耐という静かな情熱で

今日もハンマーを握り

岩を砕く

(高良留美子)

 

「神々の詩」(1997年10月12日から2000年3月19日まで放送されていた紀行番組)で、アイルランドのアラン島を取り上げていた時、この詩を知った。

ずいぶん前、「新世界紀行」という番組でアラン島を取り上げた時も感銘を受けた。

大西洋の荒波と強風のなかに、切り立った絶壁の断崖を持つ不毛な岩の島「アラン島」。

そこには紀元前にヨーロッパを追われたケルトの民が、移り住んだと言われている。島にはほとんど土がなく、島の人々は岩を砕き、海岸から海藻を運び、土が風に飛ばされないように、石垣を築き、じゃがいもを栽培している。

 

以前、「新世界紀行」を見た時、岩の上に延々と築かれた石垣に本当に深い感銘を受けた。

そして、その時は、電気も水道もない島での生活について、”Are you happy ?” とスタッフが問いかけると、” Yes, very happy.” と即座に返事が返ってきたことにとても驚いた。

 

 今回の取材でも、登場した島民は、淡々と岩を砕き、海藻を運び、静かに暮らしていた。アランの人々は、男も女も忍耐強い。

「忍耐」ということばに対する印象が変わった。

詩人の高良留美子さんは、「忍耐」を静かな情熱と呼んでいる。

ケルトの民は西の果てに天国があると信じていたという。忍耐という情熱が、不毛の土地アラン島の生活を支えているのだろう。

人間を拒絶するかのような、アラン島の姿はそれでもとても美しく威厳に満ちていた。

アランでの生活が厳しければ厳しいほど、島の人々はアラン島を誇り高く思うのだろうか?

 

最近、時々思うのだが、自分を育んだ環境が厳しければ厳しいほど、そこで育つ人々の人格に深い影響を与え、その土地を離れても、その土地への思いが強くなるのではないかと。

いつか実際にその石垣の前に立ち、大西洋の風に吹かれてみたいと思った。少しは忍耐強くなれるかもしれない。

 

でも、反面、アラン島に観光客として行きたくないという思いもある。

さしたる産業のない島の人口は減少し、若者はイギリスやアメリカに移民として渡ってゆくという。

アラン島がさびれ、無人島となり、かつてのじゃがいも畑の石垣がかろうじて残っていて、昔日を思い起こさせるようになっても、観光だけが主要な産業という島には、なってほしくないというのは、私のわがままだろうか。

 

少し話が飛躍してしまったが、私にとっての「岩」って何だろう?

番組で登場した島民が、「百万回たたけば、壊れないものはないって、この島の者はみんな思っているよ」と笑いながら言った。

本当に最大の敵は「絶望」なのだ。

アラン島で、ただひとつ希望につながるものは、忍耐だけだとナレーションがあった。百万回たたくことに絶望すると希望への道は絶たれてしまう。

 

忍耐という情熱を持ちつづけた者だけが、不毛を砕くことができるのだろう。

 (エッセイ:「絶望を砕くのは、忍耐という情熱」〜アラン島の石垣に思いを寄せて:村川久夢)

 


うつ病で先が見えなかった頃、「忍耐という情熱を持ちつづけた者だけが、不毛を砕くことができるのだろう」と「夢ノート」に綴り、希望への道をつなげようとしていたのでしょう。

あれから21年経った今も、「夢を叶えるノート」を毎日書いています。

私は2016年4月から毎日ブログを書いています。「自分でもなぜ毎日書いているのか?」と思うこともあります。

きっと「百万回たたくことに絶望すると希望への道は絶たれてしまう」と同じ心境なのです。

もし、あなたの心にも「砕けそうにない岩」があるのなら、静かな情熱という小さなハンマーを手にしてみませんか?

継続する静かな情熱を持ちつづけましょう。

 

 

 

 

 


 

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