【母の日がつらいあなたへ】母を許せない気持ちと向き合う方法と癒しのストーリー

「母の日」が近づくと、気持ちが沈む。そんな人も、少なくありません。

 

テレビやSNSでは、感謝のことばやプレゼントの投稿であふれますが、「私はそんな気持ちになれない」と感じて、自己嫌悪に陥ってしまう人もいるでしょう。

私自身も、「母の日」が苦手でした。母を「許せない気持ち」が胸に溢れ、毎年この時期がつらくてたまりませんでした。

 

私の母は、世間から見れば申し分のない母親でした。

手間を惜しまず、毎日美味しい料理を作ってくれました。掃除も整理整頓も行き届いていて、裁縫や手芸も得意。

美人で身なりにも気を遣っていたので、「あなたのお母さんは綺麗ね」と言われることもよくありました。

でも、家の中では違いました。母は「しつけ」と称して、私に厳しい体罰を加えていました。

 

私は母が怖くて、常に顔色をうかがって過ごしていました。

母の機嫌を損ねれば叩かれ、無視され、理不尽に怒鳴られる。母の価値観は「世間体が何よりも大事」で、「女の子は黙って従うもの」でした。

弟が同じことをしても許されるのに、私だけが叱られる。

ご飯も、弟は好き嫌いをしても特別メニューが出され、私は「黙って食べろ」と言われる。

ある日、「私も弟と同じのが食べたい」と言っただけで、「わがままな!」と怒鳴られ、その日の晩ごはんは佃煮だけでした。

私は、「都合のいい子」でいなければ、母に愛してもらえないのだと学んでしまったのです。

 

大人になって自立しても、どこか生きづらさが消えませんでした。何をしても自信が持てず、人の目が気になり、幸せを感じることが難しい。

 

母に抑圧された記憶がずっと心に残り、「どうしてわかってくれなかったのか」と問いつづけていました。

ある時、勇気を出して母に気持ちを伝えました。すると返ってきたのは怒りのことばでした。

「弟とも平等に育てた!あんたの根性がネジ曲がってるんや!」

その瞬間、私は悟りました。

「親子でも、わかり合えないことはある」と。

 

母への怒りと悲しみは、私自身をも苦しめていました。

でもある時、気づいたのです。母を憎んでいたのは、本当は「母に愛されたかったから」。自分が愛されなかったことが、どうしようもなく悲しかったのです。

 

私はセラピスト作家として、小説を書くことで自分を癒してきました。

登場人物たちが、自分の夢を見つけ、叶える過程で自己肯定感を取り戻し、親を許していく物語を描く中で、私自身も変わっていきました。

 

夢中になって書きつづけるうちに、心が整理され、「母を客観的に見られる自分」が生まれてきたのです。

 

時間が経つにつれ、もう一つの事実にも気づくようになりました。

母の父、私の祖父は、まるで「母を男にしたような人」で、厳しく冷たい人でした。

母も無条件の愛を知らずに育ちました。だからこそ、愛し方もわからなかったのです。母はとても自己肯定感の低い人でした。

でも今では思います。母なりに、一生懸命だったんだと。

母がクロス刺繍で作ってくれたレッスンバッグ

料理や手芸——ことばではなかったけれど、あの中に母の愛情が込められていたのかもしれません。

 

最近、母の夢をよく見るようになりました。

舞台は決まって実家の台所。母の作ったごはんを食べたり、剥いてくれた果物を一緒に食べながら、他愛もない話をしている。

以前は忘れていた、でも確かにあった「穏やかな時間」。そんな記憶も、少しずつ思い出せるようになりました。

 

私は今、当時の自分が欲しかった「理想のお母さん」になろうとしています。

傷ついていた小さな私に、「よく頑張ったね」と言ってあげる。好きなことをやらせてあげる。優しく抱きしめてあげる。

母からもらえなかった無条件の愛情を、今の自分が与えてあげることで、少しずつ、心は回復していきました。

 

母に愛されなかった。母を許せなかった。そんな自分を、責めなくていいのです。

あなたが苦しかったのは、ただ「愛されたい」と願っていたから。その思いは、決して間違いではありません。

そして今、その愛を「自分で自分に与える」ことはできます。

夢中になれるもの、安心できる人、自分を大切にできる日常——それが、あなたを幸せへと導いてくれるのです。

 

母の日に憂鬱になるあなたへ。

かつて私もそうでした。

でも、私は今、母を「許す」よりも「理解する」ことで、自分を救う道を選びました。親にわかってもらえなかった過去よりも、自分をわかってあげられる今を、大切にしていきましょう。

 (【母の日がつらいあなたへ】母を許せない気持ちと向き合う方法と癒しのストーリー:村川久夢)

村川久夢

 

 

 

 

 


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