大人になってからのイジメも決して珍しいことではなく、静かに、そして確実に心をむしばんでいきます。あなたは職場や習い事の場で、人間関係に悩んだことはありませんか? それが静かに心をむしばんでいるイジメだったらどうしますか?

<突然始まったイジメ>
私は比較的最近、大人のイジメを経験しました。ある習い事で、練習熱心で成果を上げていた私に、仲間の1人が執拗に攻撃してくるようになったのです。
イジメの対象になるのはつらいです。無視されたり、疎外されたり、仕事や活動に支障をきたしたりします。イジメが原因で、体調を崩したり、心を病んでしまったりすることもあるのです。その結果、休職したり、仕事を辞めたり、最悪のケースを引き起こしてしまうことも……。

その時の経験から、大人のイジメにあった時、自分の心身を守るために、するべきことに気づきました。イジメにあったとき、どのように自分を守るかについて、私の経験をもとにお話しします。
ある習い事のレッスンで、習い事仲間の1人が私に執拗に攻撃してくるようになったのです。
レッスンに行くと、刺すような視線を感じたり、あからさまに無視されたりしました。レッスンのグループワークの時間には、意図的に私は疎外されたのです。SNSでは「自分のことを優しいと思っている人は危険だし迷惑だ!」と書かれました。
<心の壁を乗り越えた瞬間>
こうした状況下で、私がどう耐えたのかをお話しますね。私は何度も習い事を辞めようかと思いましたが、それまで一生懸命に練習したことや、何より、その習い事が好きで、どうしても辞めたくなかったので、じっと耐えていたのです。
その頃、いつも不満と不快感が私の胸の中にくすぶっていました。厳しい寒さに身を縮めるようにして攻撃に耐えていました。理不尽な状況に耐える中で、心を閉ざし、楽しさや美しさに気づけなくなっていたのです。
私が耐えていた頃、アメリカ人の友人が京都に来ることになりました。一緒に夕食を取った時、「菜の花の辛子和え」が「本日のオススメメニュー」に書かれていました。

「え? 菜の花? 冬なのに……」と私は一瞬不審に思いました。
実は、その時は3月も下旬だったのです! 理不尽な攻撃に気持ちが塞いで、私は春になったことに気づいていませんでした。
「自分のことを優しいと思っている人は危険だし迷惑だ!」と攻撃され、自分に落ち度があるかのように私は身を縮めていました。
でも、その時、突然に「じゃあ、むき出しの悪意は危険で迷惑ではないの?! 私が何をしたって言うの!」と気づいたのです。「自分にも非がある」と感じて、心に壁を作って耐えていたことがバカバカしくなりました。
急に食欲を感じて、好物の菜の花のからし和えを友人と美味しく頂いたのです。春の香りが口中に広がり、「美味しい!」と感じました。久しぶりに感じる快い感覚でした。

その後も、彼女とはできる限り距離を取り、私はいつものように一生懸命に練習に取り組みました。しばらく我慢比べが続きましたが、私を攻撃していた人が、習い事を辞めたのです。なんとも後味の悪い結末でしたが、やっとその人とは離れることができました。
<信頼できる人に話す––最初のステップ>
イジメに対処する最初のステップは、信頼できる人に相談することです。その頃、インナーチャイルドカードセラピーのセッションを初めて受けました。執拗に攻撃される苦しさをセッションで話せたのです。
これは、心の中にたまった雨水を排水口に流すようなものです。話すことで心の負担を減らし、溢れそうな感情を整理できます。実際に私も、セラピストさんに話を聞いてもらったことで、少しずつ自分の問題を客観視できるようになりました。

このように、自分の状況を信頼できる誰かに聞いてもらうだけで、孤立感を和らげ、解決策を冷静に見つけるきっかけになります。

まずは信頼できる人(友人、家族、同僚、専門家など)に「少し話を聞いてほしい」と声をかけてみましょう。思い切って専門家に相談するのも非常に効果的です。
<専門家の力を借りる––必要なときは迷わないで>
時には、友人や家族に話すだけでは解決が難しい状況もあります。そんなときは、専門家の力を借りることを考えてみてください。

私も職場の人間関係で心身の不調に陥った時、心療内科を受診しました。初めて受診することには少し不安がありましたが、実際にはとても話しやすかったことを覚えています。初めて会った医師だったことが、返って話しやすかったのです。

その医師は、私の状況を冷静に聞き、明確な方針を提案してくれました。それがとても効果的でした。
カウンセラーや心療内科の医師などの専門家に相談することは、自分を守るための強力な手段です。専門家は客観的な視点と専門知識を持って、あなたが直面している問題を整理し、解決の道筋を示してくれます。
もし、自分だけで抱え込むのがつらいと感じたら、近隣の心療内科やカウンセリングサービスを調べ、予約を取ってみてください。一歩を踏み出すことで、確実に心が軽くなります。
<攻撃者との距離を保つ>
攻撃してくる人と距離を取ることは、自己防衛のために必要です。それは、熱い鍋に直接触れないために、鍋つかみを使うようなものです。適切な距離を取ることで、やけどを防ぎます。

SNS上で挑発的な投稿があった場合も、直接反応せず静観することが、心の平穏を保つ助けになります。
私も、攻撃を受けているときに距離を取ることで少しずつ心が落ち着き、練習への集中を取り戻せました。その結果、相手が習い事を辞めるという形で自然に解決したのです。
今日から距離を置く相手をリストアップし、SNSやメールでのやり取りを整理しましょう。嫌がらせが続く場合に備えて、スクリーンショットやメモを残しておくのも有効です。

<自分を責めないための気づき>
イジメに遭ったとき、「自分にも非がある」と自分を責めないことが、自分を守る鍵です。たとえば、嵐の中で「雨が降ったのは自分のせいだ」と、自分を責めても嵐が収まらないのと同じです。

「自分のことを優しいと思っている人は危険だし迷惑だ!」という攻撃を自分の落ち度のように感じていました。その時、同時に「じゃあ、むき出しの悪意は危険で迷惑ではないの?」と気づき、「自分にも非がある」と考えるのをやめたのです。

この考え方の変化で、自分を受け入れる気持ちが持てるようになり、食欲や「美味しい!」という感覚が戻ってきたのです。
<セラピーと成長の道筋>
私を攻撃していた人が去り、私の心にも余裕ができました。インナーチャイルドカードセラピーのセラピスト養成講座に参加することを決めたのです。私は、インナーチャイルドカードセラピーで、イジメでできた心の壁を取り去り、気持ちが晴れ晴れしました。

セラピーを学び始めた頃は、自分の感情を認識するのに少しずつ慣れていきました。それが次第に、他人と自分の間に健康的な距離感を保つことにつながったのです。

インナーチャイルドカードセラピーが、「私はこれでいいんだ。これからも一生懸命にやるだけだ」という気持ちを高めてくれました。
<大人のイジメにあった時にすべきこと>
1)信頼できる人に相談する
2)攻撃してくる人とできる限り距離を取る
3)自分を責めない
もし、あなたが職場や趣味の場で疎外感を感じ、心が沈んでいるなら、この3つの方法を試してみてください。
この3つの行動を意識することで、あなたも心の壁を取り去り、日常の小さな喜びを取り戻せるはずです。まずは、あなたが安心して話せる人を一人見つけることから始めてみませんか?

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