
ある時、東本願寺の北側の道、花屋町通が烏丸通と交差するところを歩いていて、東本願寺の北東角の壁が凹んだ形に作られているのに気づきました。「こういうデザインかな?」と思っていましたが、調べてみることにしました。
<東本願寺の北東角の凹み>
東本願寺の北側の道、花屋町通は、内事門やなまこ壁が美しく、私のお気に入りの道です。
ある時、花屋町通を歩いていて、烏丸通と交差するところで、東本願寺の北東角の壁が凹んだ形に作られているのに気づきました。お堀も同じように、北東の角が凹んだ形に作られているのです。


東本願寺は小さい頃から「おひがっさん」と呼んで馴染みが深く、何度も訪れていますが、北東角のことは全く気づいていませんでした。
最初は「こういうデザインかな?面白いな~」と思っていましたが、調べてみて最初は鬼門除けの「缺け(かけ)」(凹ませること)かと思いました。
<「鬼門」とは何か?>
私は鬼門と言うことばを聞いたことはあっても、鬼門がなにかも、鬼門除けについても全く知識がありませんでした。検索してみると鬼門については以下のように書かれていました。
き‐もん【鬼門】
〘名〙 (鬼の出入りする門の意)
艮(うしとら)、すなわち北東の方角。また、その方角にあたる所。陰陽道で、陰悪の気が集まり、百鬼が出入りするという。鬼方(きほう)。(コトバンク「精選版 日本国語大辞典」より)
<鬼門除け3つのタイプ>
鬼門除けについても全く知識がないので、検索して、京都で見られる鬼門除けの種類を紹介しているサイトを見つけました。鬼門除けには3つのタイプがあるようです。

1)とにかく鬼門には一切かかわってはならないという、放置タイプ
2)敷地の北東の角に稲荷祠や祝殿、仏堂、枡形の結界などを設ける方式
3)敷地や建物の北東の隅に角を作らないように「缺け(かけ)」(凹ませること)を設ける
(「今も京都に残る3タイプの『鬼門除け』を探してみた。触らぬ神、龍腹徳袋、角の削り落とし」より)

<鬼門除けの歴史>
先ほど紹介したサイト「今も京都に残る3タイプの『鬼門除け』を探してみた。触らぬ神、龍腹徳袋、角の削り落とし」には以下のようにも書かれていました。

【このように一斉に鬼門除けが現れるのは、筆者が知る限り江戸時代以降であり、これは天保年間(1830〜1844)に江戸、大阪、京都で起こった家相ブームの影響であろうと考察される。
(中略)
このころの京都は、江戸と同じように何度も大火に見舞われていた。人口過密都市であるがための疫病の蔓延、天候不順による飢饉での食糧問題、治安の悪化による凶悪犯罪の増大など、日常的に大きなストレスを抱えた社会だったため、民衆は心の拠り所を求めていた】

碁盤の目のような京都の町は、北東の角、つまり鬼門の位置がすぐにわかるので、平安を求めて御所を見本とした北東の角に鬼門除けの方策を行うことは、ごく当然のことだったのかも知れませんね。
<建築様式から来たもの>
最初は東本願寺の北東角の凹みを「鬼門」として投稿しました。投稿後、東本願寺の北東角の凹みについて、下記のような重要なコメントを頂きました。紹介させて頂きます。
【あれは「鬼門除け」ではありません。本願寺の教えにはそのような迷信を排除こそすれ、信じる発想はなく、正式に本願寺も鬼門除けはないとしています。本願寺の荘厳や建築様式には御所にならったものが多く、建築した大工の慣例によって作られたもので、特に意味はありません】
「こういうデザインかしら~」と思った私の発想はあながち間違いではなく、北東の凹みは建築様式から来たもののようでした。
<鬼門除けを見つける>
私自身は、全く鬼門についての知識もなく、鬼門を気にしたこともありませんでしたが、意外にも私の家にも鬼門除けがありました。「敷地の北東の角に稲荷祠や祝殿、仏堂、枡形の結界などを設ける方式」タイプで、家の北東に「枡形の結界」がありました。

また、今の家に引っ越して来た時、父と建築士だった夫が、方除よけの神社「城南宮」さんで御札をもらってきました。
鬼門についての考え方は人それぞれだと思います。でも、今でも京都ではあちこちに鬼門除けがみられます。小鬼像が置いてあったり、弁天様だったり、なかなか面白いと思います。京都を散策される時に、鬼門除けを見つけるのも面白いのではないかと思いました。

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