少女の頃、『ジェーン・エア』は私の愛読書で、主人公ジェーンが、自らの人生を切り拓く姿に、私は心を打たれたのです。
私が持っているのは、大久保康雄訳の新潮文庫版です。愛読書で何度も繰り返し読んだので、カバーはすっかり擦り切れボロボロになっています。
昨年の夏、Youtubeで『ジェーン・エア』の朗読動画を見つけて、楽しみに聞いています。朗読は大久保康雄版の翻訳本なので、どこから聞いても、「ああ、だいたいあのあたりだな~」とわかります。「次は、◯◯が~と言うんだった」とわかるほど、『ジェーン・エア』を何度も読んだからです(笑)あと数話で動画も最終回を迎えます。
<自分の人生を切り拓く>
『ジェーン・エア』は、貧しい孤児のジェーンが、家庭教師として雇われたお邸の主人ロチェスターと恋に落ち、幾多の困難を超えて結ばれるというラブストーリーです。ドラマチックで感動的な物語なので、何度も映画化・ドラマ化されました。
しかし、『ジェーン・エア』が少女の私を捉えたのは、 主人公のジェーンが自分の人生を切り拓く姿に強く惹かれたからだったのです。
<英語がトラウマだった>
鬱が深刻だったある日、BBCでドラマ化された『ジェーン・エア』を見る機会がありました。ドラマを見て久しぶりに原作を読んでみる気になりました。その時に何を思ったか、洋書でも読んでみる気になったのです。
実は当時、私は夫に先立たれ、鬱が悪化して休職中でした。私の英語は悲惨で、ボロボロでした。私が休職に追い込まれた大きな要因に、まともに英語を教えられなくなったことがあったのです。
当時の私にとって、英語は強烈なトラウマでした。英語は見るのも聞くのも嫌でしたが、なぜか『ジェーン・エア』を洋書でも読んでみる気になったのでした。
<ジェーン・エア再び>
ざっくりと大体の意味が分かればいいという感じで、ベッドに寝そべって楽しみながら読みました。この「楽しむ」と言う感じが良かったのかもしれません。一章読めると、翻訳で一章読むというスタイルで読んだことを覚えています。
洋書で643ページ、翻訳は上下2巻の物語です。結局、洋書は読了できませんでしたが、その時は、洋書をとにかく読んでみようと思えただけでも嬉しかったのです。
読了できたら英語へのトラウマが緩和され、英語を再び学習する意欲が湧いて来るかもしれないと、当時の私は感じていたのでした。
私は改めて物語を読みながら、どんな困難にも屈しないジェーンに励まされ、必死で自立しようとしていた、若い自分を思い出していました。夫の死や悪化した鬱でお先真っ暗だった、当時の私は、自立しようと懸命にもがいていた頃の私にも、また励まされたのです。『ジェーン・エア』再びだったのです。
<自分の人生を自分で切り拓く>
少女の頃にも、社会人となって鬱を患い、夫と死別し、職を失い、ボロボロになった時にも、『ジェーン・エア』は私を励ましてくれました。
どんな困難にも屈せず、自分の人生を自分で切り拓くジェーン・エアの姿が、私の憧れであり、理想であることを思い出させてくれます。
『ジェーン・エア』の主人公ジェーンや作者のシャーロット・ブロンテより、ずっと年上の50代半ばになって、私はやっと自分の信じた道を歩き始めました。
60代になって、夢を叶え続ける今も、自分で自分の人生を切り拓いたジェーンの姿が、私の心に生きています。
【村川久夢ホームページ】
<『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』>
『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』は、村川久夢が「年だから」「今さら遅いから」など様々な心の制限を外し、他の誰かのためではなく、自分の心が望むことにしたがって生きるようになった軌跡を描きました。私が自分軸で生きられるようになった成長の課程を描いています。
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