【親の介護】もう一度、美味しく食べて欲しい

お雑煮を食べる父

 

誤嚥性肺炎で入院した父は、抗生剤が効いて、翌日、熱が下がり、肺炎は良くなってきました。でも、口の中の食物をのみ下すことができないようです。

 

<食べ物を飲み下せない>

10月18日に誤嚥性肺炎で入院した父は、翌日、熱が下がり、肺炎は良くなって来ているようです。5メートルくらいなら歩けるようになったとも聞いています。

 

ところが、高齢なことや認知症が進んだことで、嚥下(口の中の食物を胃にのみ下すこと)ができなくなっているようです。父が嚥下できるようになり、口から物を食べられるようになる可能性は低いそうです。

 

胃瘻(胃に小さな穴をあけお腹に管を取り付けることで、口を介さず直接栄養を摂取する栄養補給方法)しなければ、栄養を補給できず、衰弱してしまうと言うのです。

 

<延命措置>

父が入院した日、主治医からお話を聞いた時は「(お父さんが)元気になる可能性があまり高いとは言えない」と言われたのです。

 

その時は、症状が悪化しても、延命措置はしないと言う家族の意志を伝えて帰ってきました。延命措置に胃瘻も含まれていました。

 

あの時は、気持ちも動転していたし、胃瘻に関する知識もありませんでした。

 

<胃瘻と嚥下リハビリ>

でも、肺炎は良くなり、例え5メートルでも、歩けるまでになった今は、状況が違って来ました。

 

また、胃瘻について調べると、胃瘻をしながらでも、口から食べられるようなのです。

 

嚥下できるようになる可能性が低くても、胃瘻をしながら、嚥下のリハビリを続けて欲しいと私は思わずにいられません。

 

お菓子を食べる父

 

<父にとってのベスト>

「父にとってのベストは何だろう?」とも思います。

 

コロナの関係もあって、私が父に会ったのは、父が脚の入院治療を終えて、グループホームに入所した時が最後です。その時、父は私の顔を見て、

 

「あんた、私にそっくりですな~」と言ったのです。

 

私が娘だと何度も説明しましたが、父は理解できなかったようです。今は、その時以上に認知症が進んでいるのです。父にとってのベストが何かは、今の私にはわかりません。

 

でも、私の気持ちは、胃瘻と嚥下リハビリを並行して、治療を続けて欲しいと思います。父は、食べることが大好きです。嚥下できる可能性は低くても、父にもう一度、美味しく食べて欲しいと願わずにいられません。

 

作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

 

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