東本願寺の御影堂門前にある噴水は子どもの頃から見慣れた噴水でした。でも、この噴水が自然の高低差を利用した噴水だと知ったのはごく最近でした。噴水のことを調べる内に「本願寺水道」のことを知りました。本ブログは「本願寺水道」について書きました。
<自然の高低差を利用した噴水>
東本願寺は小さなころから馴染みの深い寺院で、御影堂門前にある蓮の花のような噴水も見慣れた噴水でした。
中学生だった頃、写生会で東本願寺に行った時に、友だちが絵の具のついたパレットを噴水の水で洗おうとして先生に叱られたことを覚えています(笑)
ごく最近、この噴水のことで興味深いことを知ったのです。この噴水は自然の高低差を利用した噴水だと言うのです。
<本願寺水道とは?>
調べてみるとこの噴水は「本願寺水道」の水を使っていると言うのです。そこで「本願寺水道」について調べてみました。
【じつはこちら(蹴上インクライン奥の水槽)、明治時代に敷設された下京区にある通称『お東さん』で知られる浄土真宗大谷派の本山・東本願寺独自の防火用水道の水源地。
琵琶湖疏水の水を、埋設された約4.6㎞の水道管を通り、東本願寺まで運んでいます。
この水源地から東本願寺までの高低差約48mを利用し、自然水圧で水を噴き上げるというもの。
東京遷都から衰退する京都を奮い立たせた一大事業の一環で、当時の社会事情では到底成しえなかった斬新で大掛かりな防災システム。近代の防災文化遺産とも言えます】
【同水道が評価される一番の理由は、蹴上付近と東本願寺の高低差約50メートルを生かし、ポンプなどの動力に頼らずに水圧だけで通水できたことにある。
もともとは本願寺境内に網の目状に張り巡らした配管の先に放水銃や消火栓を設け、バルブを開けば放水銃などから伽藍(がらん)に向けて水が吹き出す仕組みになっていた。
また、東本願寺の堀と、途中にある同寺の別邸「渉成園」の池の水を補うのにも用いられていた】
【渉成園や大谷祖廟でも本願寺水道の水は活用されています。東本願寺だけでなく、廟所も守るため、さらに、景観を構成する要素として、本願寺水道の水が利用されています】
<防火設備が欠かせない!>
東本願寺は1602(慶長7年)に真宗本廟(東本願寺)が造営されて以来、下記のように4度の大火の被害を受けています。
《東本願寺の火災の歴史》
慶長7年(1602年) 真宗本廟(東本願寺)造営
天明8年(1788年) 京都大火により焼失
文政6年(1823年) 境内からの出火により焼失
安政5年(1858年) 京都大火により焼失
元治元年(1864年) 禁門の変(蛤御門の変)により焼失
明治13年~28年(1880年~1895年) 東本願寺再建
明治27年~30年 本願寺水道建設
(『本願寺水道を歩こう』より)
「本願寺水道」の設計者は田辺朔郎(琵琶湖疏水の設計者)、埋設した鋳鉄管はフランス製です。
工事に携わった人は延べ約26万人、総工費は14万4303円(当時の京都府の年間予算の25パーセントに相当)この工費を東本願寺が独力でまかなったといいます。
「そうまでして水道を引いたのは、同寺は江戸時代だけで4度の大火に遭い、『明治時代に御影堂などを再建するに当たっては、防火設備が欠かせないとの強い思いがあった』(同寺)からだ」
(「古都の防火、高低差生かす」より)
「本願寺水道を歩こう」の8ページには、1897年8月3日の「噴水防火大試験」の写真なども掲載されていました。
「防火設備が欠かせない!」という強い意識と思いをかんじました。
<平成20年(2008年)に停水>
今まで、何気なく見ていた御影堂門前の噴水も、お堀の水も、枳殻邸(渉成園)のお池の水も、「本願寺水道」の水が引かれていたのですね。
しかし、「本願寺水道」は明治30年(1897年)完成から100年以上経過し、現在では老朽化が進み、平成20年(2008年)に停水されたそうです。
とは言え、ちょっと他にはない、京都ならではの防災遺構ではないかと思いました。
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