【ああ、京都人】白味噌は豪奢な王朝文化の産物

　

お雑煮用の食材を買いました。わが家のお雑煮は、祝大根、金時人参、牛蒡、蓮根、頭芋、揚げ、丸餅が入った白味噌味雑煮です。今日は京都のお雑煮に欠かせない、白味噌と頭芋について、お話したいと思います。白味噌は豪奢な王朝文化の産物なのでした。

　

＜わが家のお雑煮＞

毎年、年の瀬も押し迫ると、お雑煮に材料を準備します。元日は刃物を持ってはいけないので、大晦日に下準備をして、元日の朝は、白味噌を入れるだけにするのです。

　

京都の白味噌仕立てのお雑煮は有名ですが、具材や作り方は各家庭で違っています。わが家のお雑煮は、祝大根、金時人参、牛蒡、蓮根、頭芋、揚げ、丸餅が入った白味噌味雑煮です。

　

「大根のように白く清廉潔白に」「金時人参のように赤く元気に」「牛蒡のように細く長く」「蓮根のように先が見通せるように」「頭芋の『頭』の字のように人の先頭にたてる頭になれるように」「揚げのように運気が上がるように」「丸餅のように丸く円満に」と、それぞれの具材に縁起をかついだ言われがあるのです。

　

京都人は縁起をかついだり、語呂合わせをするのが好きなようです。

　

＜白味噌の歴史＞

京都のお雑煮に欠かせないのが、白味噌です。祖母も母も私も「石野の白味噌」を使っています。とっても美味しいのです。「石野味噌」のホームページで知ったのですが、なんと「石野の白味噌」の創業は天明元年（1781年）でした。パッケージにも書かれているのに、意識していませんでした。

　

　

　

そして、京都の白味噌の歴史はもっと古く、同社のホームページによると

　

「桓武天皇の延暦13年（794年）に都が築かれて以来、千年にわたる王城の地となり、絢爛たる王朝文化が花開いた京都。その豪奢な王朝文化の産物として京都に発祥した白味噌は、当時は貴重品だった米の麹をたっぷりと使い、こっくりと甘口で薄塩の、いかにも王朝貴族好みの風雅な味わい」

　

と記されています。白味噌の歴史は千年を越えるものだったのです。

　

＜頭芋とは？＞

「頭芋とはサトイモの親芋の事で品種名ではありません。京都では古くから正月元旦の縁起物として、頭芋を雑煮の中に入れて食べる風習があります。それは、人の上に立つ『頭（かしら）』になるようにという意味これは男性の場合です。更にクワイと共に、芽が出た状態のものなので、『芽が出るように』という意味がこめられているんです」（「旬の食材百科」より）

　

　

私は切ってお雑煮に入れていますが、

　　

「白味噌仕立ての雑煮椀の中に、このこぶしほどもある大きな芋がごろんと一個入り、一個丸ごと一人で食べなければならず、それから出ないと御節に手を出せないのですから結構つらいものがあります」とも同サイトには書かれていました。

　

京都は王城の地、宮中の雅やかな風習が貴族に伝わり、次第に庶民にも伝わったのです。白味噌のお雑煮にも、雅やかな文化が生きているのだなと思いました。

　

　

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