【魂の家】狭くて古くて大嫌いだったのに~心の故郷~

実家の前で(祖父榮太郎と)

 

あなたが「家」というと一番にイメージするのはどこですか?私は古くて狭くて大嫌いだった実家の家なんです。実家の建物は再開発事業で取り壊されて今はありません。実家に最後に行ったのは、いつだったのかすらはっきり覚えていないのですが…。

 

<狭くて古くさい大嫌いな家>

もうすぐ取り壊されるという頃に、無人になった実家に行ったことがありました。玄関のアルミサッシの戸を開けると、実家の匂いがしたことを覚えています。実家の建物は、明治24年生まれの祖母が子どもの頃にすでに存在したと言う築不詳の建物でした。

 

そんなふうに言うと、京町屋のイメージを持たれるかも知れませんが、狭く不便な家を少しでも広く便利に住もうと、その時々の流行で増改築したので 、伝統的な京町屋の風情は全くないのです。実家で暮らしていた時、私は狭くて古くさい家が嫌でしかたがありませんでした。

   

でも、古くても狭くても、転居したり、全面的に改築する経済力がなかったのです。家業は先細りで、 40歳を越えて初めて勤め人になった父の収入では、私たち家族の生活を支えるのがやっとだったのです。実家は父・母・弟・祖父母と肩を寄せ合うようにして暮らした家でした。

 

廊下と庭のある家に住むことが、 実家で暮らした少女時代の私の夢の一つでした。

 

廊下と庭のある家に住みたい!

 

<歳月が流れた>

久しぶりの実家に入り、実家の匂いをかぐと、ほっとして気持ちが落ち着く自分に驚きました。

 

通り庭の物入れの戸開けると、祖父母の代からのガラクタがまだたくさんあったのです。直径50cmはあろうかと思われる竹の籠が2つありました。家具のなくなった部屋に、家族旅行の際に買った置物がポツンと残されていたのです。

 

畳二畳ほどの庭に出ると、両親が現在の二世帯住宅に転居して以来放置してあった植木が、あるものは伸び放題、 あるものは枯れていました。

 

伸び放題組には楓がありました。楓は、予想より遥かに大きく成長していたのです。鉢底から伸びた根は私の力では動かせない太さになって、庭の地面に根を下ろしていました。楓は私が小学生の頃に伯父がくれたもので、もらった時は小さな鉢植えでした。歳月が流れたのです。

 

 

<心のふるさと魂の家>

実家は不思議な家です。古くて不便で、住んでいた頃は嫌でしかたがありませんでした。結婚して、狭いけれど現代風の家に転居した時はうれしかった。短い廊下と小さな庭がある現在の二世帯住宅に転居した時はもっとうれしく感じたものでした。

 

でも、実家から離れると、よく不思議な夢を見ました。どこか知らない場所で道に迷っている夢です。やっと見覚えがある場所にたどり着き、一心に目指す「家」は実家なのです。 現在の家に来てからもたびたび同じような夢をみました。

 

祖父母が苦労して買い、父が受け継ぎ、 80年近く、私の家族が暮らした家です。私の心の根っこは、楓の様に実家に根を下ろしていたのかも知れません。実家が取り壊されてもう何年も経ちます。

 

しかし、実家で暮らした日々のことは私の心に生きています。実家の家はその象徴のようなものです。もしかすると、あの家は私の心が根を下ろした魂の家なのかも知れません。

 

村川久夢

  

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