私は昔トマトが嫌いでした。給食に出てくる青臭いトマトが特にダメだったのです。「好き嫌いをしてはいけません!絶対に残さず全部食べなさい!」と先生に言われて泣く泣く食べた記憶があるのです。無理やり食べさせても、トマトを好きにはなりませんよね。
<トマト嫌いが嘘のように>
大人になってから、友だちが家庭菜園で育てた完熟のトマトをくれました。トマトは大嫌いでしたが、あまりに赤くて美味しそうだったので、恐る恐る1個食べてみたのです。
すると、濃いうま味があって非常に美味しかったのでした!全然、青臭くないのです。
その後、もらったトマトを一人で楽しみながら全部食べました。トマトが大嫌いだったことが嘘のように大好きになったのです。
<美味しいので進んで食べた>
「好き嫌いをしてはいけません!トマトも食べなさい」と言われて食べたのではありません。言われなくても美味しいので進んで食べたのです。
給食の青臭いトマトを「好き嫌いをしてはいけません!」と言って、無理強いして食べさせても嫌いなものを好きにはならないのです。
友だちが家庭菜園で育てた完熟トマトは、トマト嫌いだった私でもパクパク美味しく食べることができました。「好き嫌いをしてはいけません!」なんて言うも必要はなかったのです。
<好きにするには工夫が必要>
私がトマトを食べられるようになった経験から、ふと子どもの読書離れのことが頭に浮かびました。
給食のトマトと同じように、面白くない文章を無理やり読ませたら、読書嫌いになるでしょう。強制された文章は渋々読んでも、強制されない場面では、文章を読まないでしょう。
でも「読みなさい!」と言われなくとも、誰かがすごく面白そうに本を読んでいたり、どんなに面白い本であるのかを教えてもらったりして、「読んでみよう」と言う気持ちになったら、自発的に読書するようになるのではないでしょうか?
読書もトマトも好きにするには、工夫が必要ですよね。
<楽しさが伝わる工夫を>
トマトが嫌いで食べられなかった私に「好き嫌いをするな!」と怒っても、トマトを好きにはなりませんでした。そんなトマト嫌いの私でも、真っ赤な完熟トマトは、自発的に美味しくたべられたのです。
「好き嫌いをしてはいけません!」「本を読みなさい!」と感情的に怒る前に、どうしたらトマトの美味しさが伝わるか、どうしたら読書の楽しさが伝わるかを工夫することが大事なのです。
このことは、トマトや読書だけでなく、どんなことにも当てはまるのではないでしょうか?
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