「お豆さん」「お日さん」「おはようさん」など、京都では食べ物や自然、果てはあいさつまで、「お」や「さん」をつけて丁寧に呼びます。
私も無意識に「お」や「さん」をつけています。思いつくままにあげるとこんな感じです。

✅️食べ物:お豆さん、お芋さん、お稲荷さん(いなり寿司)、おあげさん
✅️天体:お月さん、お星さん(おほっさん)
✅️寺院:お東さん(おひがっさん、東本願寺)、お西さん(おにっさん、西本願寺)
✅️あいさつ:おはようさん、おまっとうさん(お待ちどおさま)

私も無意識に「お」や「さん」をつけていますが、この何気ない一言にこそ、京都の長い歴史と、先人の雅やかな心が詰まっているのをご存知でしょうか?
このブログでは、なぜ「お」や「さん」をつけるようになったのかを、そのルーツから深くお伝えしますね。
▶雅やかな御所ことば
いろいろ調べてみて、京都でものに「お」や「さん」をつけるのは、御所ことば(女房ことば)の接頭敬辞「お(御)」、接尾敬辞「さん」に由来することを知りました。
御所ことばとは、宮家や公家に仕えた女房(女官や侍女)らが用いたことばで、「御所ことば」は「女房ことば」ともいうのです。

「お○○」「◯◯さん」という丁寧語も、御所ことばが由来とされています。
有吉佐和子著『和宮様御留』を読んだとき、皇女和宮に仕える女房のこんなことばがありました。
✅️今日までほんまに「お」嫌「さん」のことばかりであらしゃりましたよってに……。
(今日まで本当に嫌なことばかりでございましたので)
✅️本日の御膳は「お」好き「さん」であらしゃるお冷やのおずるでござります。
(今日のお食事はお好きでいらっしゃる素麺でございます)
「嫌だ」「好きだ」という形容動詞にも「お」と「さん」をつけています。
▶庶民に広がった「お」と「さん」
御所ことばの「お」や「さん」は、次第に町方(まちかた:庶民)に伝わったのです。町方は、自然や寺院への敬意の表れとして、神仏にも「お」や「さん」をつけるようになりました。
✅️自然への敬意が表れていることば
「おひぃさん」→太陽
「おつきさん」→月
「おほっさん」→星
✅️神仏に対する敬意が表れていることば
「おいなりさん」→伏見稲荷
「おひがっさん」→東本願寺
「おにっさん」→西本願寺
✅️挨拶にあらわれる敬意
「おはようさん」→おはようございます
「おつかれさん」→お疲れさまでした
「おまっとうさん」→お待ち遠さまでした
「おめでとうさん」→おめでとうございます
▶「おやかまっさん」:挨拶に「お」と「さん」をつけた
挨拶に「お」や「さん」をつけることば「おやかまっさん」があります。私の叔母はとてもおしゃべりで賑やかな人でした。叔母は、帰り際にいつも「おやかまっさんどした」と言っていました。

「おやかまっさん」は、古語の「やかまし」(やかましい、騒がしいの意味)に「お」と「さん」をつけて、「やかましくしてすいませんでした」という意味の帰り際のあいさつです。挨拶に「お」と「さん」がついた京ことばです。
▶町方ことば~先人のプライド
京ことばは、大きく「御所ことば」と「町方ことば」にわかれますが、実は、町方ことばは、もっと細かく分かれるのです。
1️⃣御所ことば
2️⃣町方ことば
・職人のことば(伝統工芸の技を磨き伝えて来た職人のことば)
・商人のことば(皇室や将軍家の御用まで勤めた商人のことば)
・花街のことば(技芸を磨いた花街の人のことば)
・農家のことば(京都の伝統野菜を守り伝えて来た農家のことば)
町方の人々は、慎ましやかで控えめに見えても、高いプライドを持っています。京ことばが上品に響くのは、そのプライドも表れているのでしょう。
▶京ことばの温かさは残ってほしい。
京都でいろいろなものに「お」や「さん」をつけて呼ぶようになったのは、長い歴史や奥深い背景があるのです。
ことばは生き物なので、時代とともにどんどん変化します。でも、「お」や「さん」の温かみのあるやさしい響きの京ことばは、残ってほしいです。
これから京ことばは、どのように変わっていくのでしょうね。

でも、「お」や「さん」の温かみのあるやさしい響きの京ことばは、残ってほしいです。
歴史や伝統を笠に着るのではなく、京ことばに表れた先人の「人を敬う」「慎み深い」という思いを大切にしたと思います。
「お」や「さん」というわずか一音が、これからも京都の文化とプライドを未来へ繋いでいってくれると信じています。

あなたはご自分の地方の方言でどんなことばや表現が好きですか? 好きな方言や表現などコメントで教えて下さいね。
(【ああ、京都人】なぜ京都では豆や芋に「お」や「さん」をつけるの?:村川久夢)

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- 3章は京ことば
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