自分を偽らず自分に素直になったから

善子は真面目な

優等生タイプの女の子でした。

いつも本音を隠し

取り澄ましていました。

 

例えば、「可愛く見られたい」

「モテたい」

「誉めて欲しい」等々、

本当は神経がすり減るほど

真剣に考えているのに、

「そんなことは全然考えていません」

とばかりに取り澄ましていました。

 

若い女の子にとってそのような願望は、

ごく素直な自然な願望です。

そういった願望を

素直に行動に移せる女の子がいると、

善子はものすごく反感を感じて、

 

「なんてかっこ悪いの!

私はそんなことしないわ!」

と毛嫌いしていました。

 

でもそれは嫉妬以外の

何ものでもありませんでした。

 

善子は自分が自意識過剰で

人目ばかりを気にして

格好をつけていることに

気が付きませんでした。

 

でも、実際のところ、

まわりの人は善子が思うほど

善子に関心なんてないのです。

 

善子は虚しく何十年も

そういう生き方を続けてしまいました。

 

まわりからは

 「謙虚で控えめなのに

しっかりしている。

頼りがいがある良い人だ」

と言われました。

 

でもいつも心には、

大きな空洞があるのを感じていました。

 

ある日、善子は

どうしてもそんな生き方が

息苦しくて耐えられなくなりました。

 

善子はそれまで

自分の本心と向き合ったことが

ありませんでした。

人目や人の評価ばかりを気にしていました。

 

やっとの思いで

善子は自分と向き合って

自分の願望に素直になりました。

 

文学少女だった善子に見えて来たのは

作家になる夢でした。

 

「今から始めるなんて遅すぎる!

才能なんてないのに!

私の作品なんて

誰も読んでくれない!

売れるわけない!」

ネガティブな発想で

胸がいっぱいになりました。

 

でも、やりもしないで

今以上に年をとって、

何もできないまま死んでしまうのは、

もっと耐えられないと思いました。

 

今までに何度、

「今から始めるのは遅すぎる」

と言い訳をして夢を諦めたでしょう。

 

「才能なんてあるかないか

作品を書いてみないとわからない。

作品を発表しなければ誰も読めない」

 

作品を書きもせず発表もしないで

売れないからと決めつけるなんて

逃げ以外の何ものでもありませんでした。

 

「とにかくやってみよう。

どんなにかっこ悪くてもいいから」

と善子は決心しました。

 

人の評価ばかりを気にして

生きて来たので、

自分の願望を

素直に行動に移すには

半端ない勇気が必要でした。

 

でも善子は投稿サイトに作品を発表し、

エッセイ集を出版し、

ブログやSNSで本の宣伝をしました。

 

善子は作家になったのです。

 

作家と名乗ることに

抵抗が無いわけではありません。

決意が揺らぐことも何度もありました。

 

でも今の善子は

「地道に粘り強く発信を続け、

コツコツと実績を作るだけだ」

と考えるようになりました。

 

善子は今日も作品を書いて

ブログやSNSで発信し、

名刺やセルフマガジンを持って

 

「古川善子です。

エッセイや小説を書いています。

よろしくお願いします」

と挨拶します。

 

もうどのように見えるかは気にしません。

どんなにかっこ悪くても気にしません。

自分を偽ることを止めて

自分の願望に素直になったからです。

 

・・・・・・・・<完>・・・・・・・・

 

*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

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