夫が社員旅行先で急死した時、「こんなに体が大きい人は、前もって棺桶を注文しておいてくれ」と山梨の葬儀業者に言われて、激怒したことを覚えています。夫は体に合わない小さな棺桶に、首を横にして押し込められて、山梨から京都まで帰って来ました。強烈に悔しく悲しい思い出です。
その時は、「自分の棺桶を前もって注文する人がどこにいるねん!」と腹を立てましたが、よく考えてみると、
世の中の人は、みんないずれ死ぬのです。
棺桶が必要になるのです。
<自分の棺桶を自分で作る>
夫が亡くなって、11年経とうとしています。「前もって棺桶を注文する」ことは、今の私には違った意味を持つようになりました。
数年前、ニュージーランドの高齢者の間で自分の棺桶を自分で作る「棺クラブ」のことが話題になっていることを知りました。もし、夫と私がニュージーランドの「棺クラブ」の人たちのように、
自分の棺をどんな棺にしたいのかを話し合う機会があったら、もっと死を身近なものとして考えられただろうと思うのです。
<典型的な企業戦士>
夫は典型的な企業戦士でした。朝早く出勤し、夜遅くまで働き、無遅刻無欠勤でした。社長が言う無理難題も黙って受け入れていました。会社第一、仕事第一の人でした。また、風邪一つ引かず丈夫なことも自慢でした。タバコもけっこう吸っていました。少ない休日は、ストレス解消だと言って終日パチンコに行っていました。
誰がどう言ってもその生活スタイルを変えませんでした。夫は自分の健康を過信していたのです。そして、
ある日、突然に死んでしまいました。
<夫と死について語りたかった>
夫は、年をとって体力が衰えることや、加齢に伴って健康に配慮する必要があること、退職後の生活、いずれ自分が老いて死ぬことを全く考えていませんでした。
「夫と死について語りたかった」と思います。死を考えることは、今をどのように生きるかを考えることだからです。今を充実させることにつながるからです。
「会社第一、仕事第一。
楽しみはパチンコだけという生活で
一生を終えてもよいのか?」
と夫自身が考える機会になったからです。
<人は必ず死ぬのだ>
夫の死後、私は長い間ふさぎ込んでいました。「私の人生はもう終わった」と思い、持病の鬱が悪化したせいもあるのですが投げやりな生活をした時期もありました。
そんな私でしたが、鬱が少し安定した頃、
「残された人生をこんなままで送りたくない」と思いました。
その後、ヨガに出会い、インナーチャイルドカードセラピーに出会い、私は自分がやりたいことを見るけることができました。
「書くこと」でした。
私が自分の夢を見つけ、夢を追いかけられるようになった背景には、「人は必ず死ぬのだ」ということを夫の死で痛感したことがあります。
<死を意識することは今を充実させる>
嵩高いので、今、自分の棺桶を作ることはしませんが、棺桶が必要になった時のことは、あれこれ想像できます。
もし仮に私が日本人女性の平均寿命まで生きるとして、残された時間は20年前後になりました。それまでに、あと5冊ほど本を出版したい。インナーチャイルドカードのわかりやすい解説本も出版してみたい。ブログを毎日書き続けていたい。
自分の棺桶を自分で作ることは、人生には終わりがあることを意識させてくれます。死を意識することは、今を充実させてくれるのです。
【村川久夢ホームページ】
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