子どもの頃、大晦日は朝からお節の準備で祖母も母も大わらわだった。私まで駆り出されて、ごまめを炒ったり、切り目を入れた蒟蒻を結んで結び蒟蒻にしたりしたものだ。
ふだんは子どもなので、料理は、手伝わせてもらえなかった。なのでこの日は、大人扱いされているようでちょっぴり自慢だった。大晦日の台所には、お煮しめ類や棒鱈を炊く醤油の匂いが漂い活気いっぱいだった。
大騒動して作ったお節の重詰が終わる頃、祖母と母はお雑煮の準備を始めたものだ。元日は刃物を持ってはいけないので、お雑煮は下準備をしておいて元日の朝に白みそを入れるだけにするのだ。
お正月の伝統的な食べ物の中でも、京都の白みそのお雑煮が私は一番好きだ。
一口に京都の白みそ雑煮と言っても、各家庭で具材も作り方も違っている。祖母から母、母から私と言うように伝わった、わが家の白みそ雑煮を私も作っている。
お雑煮の具材には、それぞれ縁起を担いだ謂れがあるようだ。
<わが家のお雑煮の具材>
だいこん=大根のように白く清廉潔白に
金時人参=金時さんのように赤く元気に
ごぼう =ごぼうのように細く長く
頭芋=人の先頭にたつ頭になるように
レンコン=先が見通せるように
あげ=運気が上がるように
丸餅=丸く円満に
お雑煮は具材から出るうま味が、白みそと合ってとても美味しい。
いつの間にか、お節は、知り合いの料理店から重詰されたものを買うようになった。ありがたいことに「美味しい」と感じる間に食べきってしまうので、子どもの頃のように正月が過ぎても、泣く泣く煮しめや黒豆の残りを食べることもなくなった。
私が作るお節は、棒鱈と海老芋を炊いた芋棒くらいだが、白みそのお雑煮は必ず作る。このお雑煮を食べると、「あ~お正月やな~」としみじみ思う。
その年がお雑煮のような、良い年であってほしいと願うようになった。あまり縁起をかつぐことがない私だが、最近は縁起を担ぎながら、毎年、白みそのお雑煮を頂いている。
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