▶他人の情で育った
同居していた父方の祖父は、私などには想像もつかない、苦難の多い激動の幼少期を送っていました。
曾祖母が早くに曽祖父と離婚して、育児放棄気味だったので、乳飲み子の頃から、祖父は他人の家をたらい回しにされて育ったと聞いています。
育ててくれた人たちは、決して豊かではなく、その人たちも相当に貧乏だったそうです。
その人たちは、仮に自分の子どもが5人だったとして、あまりにも貧しいので、子どもが一人増えて6人になっても、貧しさはさして変わらないと。
貧しい者同士で、助け合って暮らしていたのでしょう。
幼い頃、そのあぐらの上に座って、一緒に大相撲放送を見ていた「おじいちゃん」のことなのに、「山本周五郎の小説に出てきそうな環境で育ったのだな……」と遠いことのように思えます。
「もっとおじいちゃんの話を聞いておけばよかった」と悔やまれます。

▶卒業式の総代になるはずだったのに……。
祖父は、尋常小学校の頃、雨が降ると傘がないから学校を休む。体育のある日は体操服がないから学校を休むというような、私には想像もつかない貧しさの中で育ちました。
そう言えば、当時はノートと鉛筆ではなく、石板とろうせきで字を書いたと言っていました。「石板を落とすと簡単に割れてしまって困った」と話していた記憶があります。
しかし、勉強はできたようで、卒業式に総代として卒業証書を受け取る話があったそうです。ところが、なんと卒業式に着る式服がないので、辞退せざるを得なかったというのです。
私は、祖父からその話を直接聞いたことがありました。幼かった祖父はどんなに悔しくてつらかったでしょう。
祖父は「悪くなろうと思えば、いくらでも悪くなれる環境だった」と言っていました。
▶貧しさの中で「学び」を選んだ祖父
でも、祖父は貸本屋で本を借り(当時は図書館が一般的ではなかったようです)、一字書(一銭を払うと、一字だけ字を教えてもらえる)もよくしたと話していました。
祖父はなかなか立派な字を書いていました。
尋常小学校を卒業すると、丁稚奉公するために大阪に行ったと聞いています。
「丁稚の食事はお茶漬けで、お漬物が大根葉だったので、どこに大根があるのかと探したけれど、なかった。奉公人は大根葉だけで、大根の部分は主人一家用だった」
そんな話を聞いた記憶もあります。
▶何が祖父を支えたのだろう?

祖父は15・16歳のころに易学に興味を持ち、独学で勉強していたようです。易学の道を進みたいと大阪の大家の門を叩いたのですが、「趣味にとどめなさい」と言われたのでした。
しかし、占いや手相人相で「運勢を見てほしい」という人がけっこう多く尋ねてきたそうです。そんな時は、本業を放り出して、熱心に鑑定していたといいます。
当時、「お茶やお花、いらんかぇ~」と売り歩く白川女のおばさんたちの間でも評判になり、ときどき招かれては、北白川まで出かけていたようです。
家庭を持ち、生活が安定した頃、阿部泰山全集を買って四柱推命を独学したようです。
著者の阿部先生から講座開講の案内を頂き、烏丸鞍馬口にあった阿部先生のご自宅で講義を受けるようになったのでした。
祖父の人生をたどりながら、「何が祖父を支えたのだろう?」と思いました。支えてくれる人もなく、理解してくれる人もなかったでしょう。
その答えは、逆境の中でも決して腐ることなく、自ら知識を求め続けた揺るぎない探求心そのものだったのかもしれません。
▶父が受け継いだ四柱推命~学びを生きる力に変えた人
祖父の影響で父も四柱推命に興味を持ったようでした。祖父は高齢になって阿部泰山先生の講座に通うことがつらくなり、父が代わって講義を受けるようになりました。
私が幼い頃、父が当時はめずらしかったオープンリールデッキをスクーターに積んで、阿部先生のところに勉強に通っていた姿をうっすら覚えています。
先日、父の阿部泰山全集のことを思い出し、本棚をさがすと和綴じの阿部泰山先生の本が何冊もあり、開いてみてびっくり!

『阿部泰山秘授』と記されているのです。直弟子だけが受け取れた本だったのかも知れません。
父は阿部泰山先生から泰山流直門として「泰明」という号ももらい、「鑑定教授」の免状も頂いているのです。
▶受け継いだのは四柱推命の学びだけではなかった
父には祖父母がいたので、祖父ほどではありませんでしたが、父も恵まれた教育環境で育ったわけではありませんでした。
立命館専門学校(後の立命館大学)の夜間部に通っていたのですが、卒業を目前にして、学費が続かなくなったのです。また、祖父を助けて、家族のために働かなくてはならなかったのです。
父は、立命館専門学校を中退したことを非常に悔やんでいましたが、アルコールやギャンブルに逃げたりせず、自分にできる限りの努力をしていたことを覚えています。

何より、70歳で立命館大学に社会人入学して、4年半かかりましたが、念願の立命館大学の卒業証書を手にしました。
父が祖父から受け継いだのは、四柱推命の学びだけではなく、どんなに逆境にあっても、自棄にならず、今できることに取り組む生きる姿勢だったのだと今思いました。
祖父も父も運命に負けなかった。強かったのです。
▶私の長所は父から受け継いだ
私は、容姿も性格も父にとてもよく似ています。
「粘り強さ、継続する力、今の自分にできることを探して実行する」という私の長所は、父から受け継ぎました。
父の本棚には、京都に関する本や京ことばに関する本がたくさん残されていました。それらの本を見て、父と私の関心が、そっくりで驚きました。
拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます』やブログの「ああ、京都人シリーズ」を書く時、父のエッセイ集や父から受け継いだ『京ことば辞典』をとてもよく活用しています。

昔は、美人の母に似ず、父にそっくりなことが嫌でしたが、今は父に似ていることを誇りに思います。

私は、祖父や父から探究心、向学心、粘り強く学び続ける意志を受け継いだのです。
▶学びは自分や人のために生かして生きた知恵になる
学びとは、知識を得るだけでなく、それを自分のため、人のために生かして、初めて生きた知恵になるのだと、祖父や父の姿から学んだのだと思います。
今、私はブログや小説を書いています。その根底にあるのは祖父や父から受け継いだ粘り強い探求心です。
これからも、ブログや小説を通して、悩んでいる人が自棄になったりせず、解決の「緒(いとぐち)」を見つけられるように、小さな光をともし続けていきたいと思っています。

(運命に負けなかった祖父と父~『学びを生きる力に変える』生き方:村川久夢)

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