【ああ、京都人】紫式部の世界「六條院の生活」~平安の雅に触れる

 千年の時を超えて愛される『源氏物語』。その舞台となった「六條院の生活」を、実際に目の前で再現して見られる場所が、京都にあります。

「京都風俗博物館」では、平安貴族の装束や調度、雅やかな遊びや食文化。紫式部が描いた世界を1/4の縮尺で再現して、現在に蘇らせています。

私は以前、京都風俗博物館を訪ね、この展示を見学しました。屏風の色合いや衣のかさねの美しさに、平安貴族の暮らしを思い描く興味深いひとときを過ごしました。

この記事では、その見学体験を振り返りながら、紫式部の世界の魅力をお届けします。

 

 

「源氏物語~六條院の生活」

 
風俗博物館に入ると、藤原道長が三人の娘が皇后になり、

「この世をば我が世とぞ思う望月の 欠けたることもなしと思えば」

と「望月」の和歌を詠んだ饗宴の様子を再現した展示が見えて来ました。「華やか! 豪華! 雅やか!」 1/4縮尺の人形でも華やかな世界を感じ取ることができました。実際はどんなに華やかだったのでしょうね。 

 

 

 

 

 

源氏と中宮

 

 

藤原威子


『源氏物語』が生まれた背景には、藤原道長の絶大な権力がありました。

しかし、「望月」の歌を詠んで栄華の絶頂を誇った道長ですが、晩年は自らが失脚させた人びとの怨霊に怯え、仏道にすがったとも伝えられています。

華やかな宮廷文化の陰に、こうした人間の苦しみや不安もあったのだと思うと、『源氏物語』の雅やかさがいっそう深みを帯びて感じられますね。

 

▶姫君の成人式と婚約・裳着

裳着(もぎ)とは、平安時代の女子の成人式にあたる儀式です。

 

衣装を着る姫君

 

女房人形から髪の長さがわかりますね。長い!

 

▶かさね色目に見る平安王朝の美意識

日本特有の細かで移ろいゆく四季の彩りをいかに機微にとらえて、装束の色目として表現するかという文化が平安時代に登場します。何枚も重ね着をした装束の襟元や袖口に見られる色のグラデーションやコントラスが、「衣」のかさねです。

 

梅かさね

 

桜かさね

 

女郎花かさね

 

▶平安の遊び

「偏つぎ」は、偏と旁(つくり)に分かれた札をつかった遊びで、様々な遊び方があったそうです。

 

 

▶平安時代のお菓子

 

 


「甘葛」

平安時代の貴族が、夏に暑さを和らげるために食べていたのが、氷室に保管しておいた氷です。この氷に甘葛をかけて食していました。甘葛は、ツタの樹液を採って、煮詰めて作った甘味料です。

 

「索餅」

小麦粉と米粉を練って、紐状に細長くし、縄のようにねじり合わせた唐菓子のひとつ。

 

「椿餅」

甘葛で甘みをつけたあんのない餅菓子。椿の葉で挟んだ。文献上もっとも古い純国産の和菓子。

 

展示されたお菓子には、見たこともないものが並び、特に「甘葛」は私にとって印象的でした。「当時の貴族たちが氷にかけて楽しんでいた甘さとはどんな味だったのだろう?」そんな想像が頭をよぎり、平安時代の生活が一瞬、身近に感じられました。

 

   

▶王朝女性の身嗜みだしなみ・黒髪

平安時代の容姿の美しさの中で、大きな比重を占めていたのが頭髪であり、豊かで長い髪がもてはやされました。

 

髪の手入れをする女房

 

猫毛や赤っぽい髪は好まれなかった

 

 

▶婚礼仕度・冊子(そうし)作り

『紫式部日記』には、帝(みかど)の寵愛を得るための文化教養の手段として、冊子作りの様子が記されています。書写される「物語」は、『源氏物語』なのです。

 

 

 

 

 

▶重陽(ちょうよう)の節供(せっく)

「菊の着せ綿」は、重陽の節句(9月9日)、前日の夕方に綿を菊の花にかぶせ、その菊の露に濡れた綿で節句当日の朝、肌を撫でると、老いを棄てるというものです。

美しい十二単をまとった紫式部の人形が、「菊の着せ綿」を手に持ちながら微笑んでいる様子が目に飛び込んできます。鮮やかな色彩と、丁寧に再現された衣装の複雑なデザインが、当時の華やかさを物語っていました。

 

「重陽の節句」(机に向かっているのが紫式部)

 

菊の花にかぶせた綿を持つ女房

 

1/4の縮尺で再現された『源氏物語』の世界が、華やかで雅やかな平安貴族の生活を思い描かせてくれました。特に、遊び・お菓子・衣の重なり合った色のグラデーションが、私には印象的でした。

平安貴族にも『源氏物語』にもあまり縁のない私ですが、この文化が庶民にも伝わり、やがて京都の雅やかな文化を育んでいったのだろうと感じます。

残念ながら、「京都風俗博物館」は耐震強度対策のため、令和7年(2025)4月1日より3年程度休館となっています。どうぞこのブログで、少しでも紫式部の世界に触れていただけたらうれしいです。

 (【ああ、京都人】紫式部の世界「六條院の生活」~平安の雅に触れる:村川久夢)

 

 

 

 


*村川久夢は、京都生まれの京都育ち。一人の京都人の目を通して、京都や京都人について、拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』に書きました。観光化されていない日常の京都や地元の人に愛されている京都の穴場、食べ物やお店についても新著に書きました。     

 

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