今日は夫の命日です。夫が亡くなってから14年の歳月が流れました。私が夫と暮らしたのは、14年間。一緒に生活した時と、別れてからの時間が、同じになりました……。
亡くなった夫と共通の友人に、私のオリジナルレシピを送りました。すると、「旦那さんが、よく久夢さんの料理を自慢してたよ」と友人が教えてくれたのです。私は、夫がよく「美味しい!」と言って、料理を食べてくれたことを思い出し、なんだかじ~んとしたのでした。
夫はとても善良な人でしたが、不器用で人の気持ちを上手に察したり、話し合ったりできないところもありました。なかなか気持ちをわかってもらえなくて、悩んだことも、何故か一緒に思い出してしまったのです。
元気で病気一つしない健康な夫は、鬱に苦しむ私を理解できなかったようです。
「考えすぎやから、そんな病気になるんだ」と言って、鬱病がどんな病気であるのか、まったく知ろうとしてくれませんでした。「つらくて仕事を続けられないから、辞めたい」と何度相談しても、「辞めて何するんや? どうせ家でブラブラしているだけやろう」と言って取り合ってくれませんでした。
夫が亡くなってからは、自分が病気がちだったことを大変申し訳なく思い、罪悪感すら抱きました。11月22日「いい夫婦の日」がとても嫌いでした。病気ばかりしていた自分を責めてしまうからです。
でも時には、私が元気で頑張っている時は、優しかったけれど、病気になったら、冷たくなった夫を恨んだりもしました。
夫は善良な人でしたが、本当に人の気持ちを察することができない人でした。メンタルな病で寝てばかりいる私を理解できなかったのでしょう。私たちは離婚寸前まで追い詰められました。離婚届を前に二人で本気で話し合ったこともあったのです。
夫もやっと、理解されない私の苦しさを、わかってくれました。
ちょうどその頃、現在の主治医に出会い、私は劇的に元気になりました。また、少しずつ料理もできるようになりました。ささやかな夕食の食卓を囲む時の、穏やかな時間がやっと戻って来たのです。
夫は都合のいい時は優しくして、病気で足手まといになったら冷たくしたのではなく、鬱を患う私にどう接したらいいのかわからなかったのです。当時はそんな夫の気質を理解できず、ずいぶん苦しみましたが……。
友人の話で、口下手な夫が私の料理を褒めていてくれたと知って、しみじみ嬉しかったです。そして、同時に鬱で料理出来ずにつらかった時のことも、思い出したのでした。
結婚式で「健やかな時も病める時も」と誓いますが、実際に結婚生活を送って、理解できず苦しんだり、理解されず苦しんだりという経験をして、その言葉の重みを知るのでしょう。夫と暮らした歳月と別れてからの歳月が、同じになった今、しみじみと感じます。
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【村川久夢ホームページ】
*拙書『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』4章では、私が鬱を患い、夫が鬱を理解してくれず、悩んだ時のこと、離婚寸前になりながら、真剣に話し合ったこと、夫の急逝、鬱の悪化など、苦しい出来事から、立ち直った経験を書いています。
<『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』>
新著『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』は、村川久夢が「年だから」「今さら遅いから」など様々な心の制限を外し、他の誰かのためではなく、自分の心が望むことにしたがって生きるようになった軌跡を描きました。私が自分軸で生きられるようになった成長の課程を描いています。
新著『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』は、村川久夢が「年だから」「今さら遅いから」など様々な心の制限を外し、他の誰かのためではなく、自分の心が望むことにしたがって生きるようになった軌跡を描きました。私が自分軸で生きられるようになった成長の課程を描いています。
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*村川久夢ホームページトップには、新著『50歳から夢を追いかけてもいい5つの理由』に頂いた感想を多数掲載しています。