【親の介護】オトーチャンは意外に面白みのある人だった

 

    

 

94歳の父の定期診察に行ってきました。以下は病院に行く前の父と娘の会話です。

 

娘:今日は病院やで

父:誰が病院に行くんや?

娘:オトーチャンやんか~

父:なんや~ついて来てほしいんか?

娘:いやいや、オトーチャンの診察やし…

 

父はなかなか面白い人です。

     

 

<優しい兄ちゃん>

私は昔、常識人で説教ばかりする父が、あまり好きではありませんでした。

   

でも、父の人生を振り返ってみると、父はいつも重い責任を担っていました。世間体や常識の重圧がかかっていたのでしょう。

    

父は4人兄妹の長男として生まれ、妹が3人いました。

  

祖父母はお互いに再婚で、祖父には精神疾患のある娘(私の伯母)が、祖母には聴覚障害者の息子(私の伯父)がいたのです。

  

また、父の末の妹(私の叔母)も麻疹の高熱が原因で聴覚を失ってしまいました。

  

祖母は聴覚を失った伯父や叔母の世話に忙しく、父たち兄妹は寂しい思いをしたことを父から聞いています。

それでも優しく温厚な父は、妹たちから「兄ちゃん、兄ちゃん」と慕われていたのです。

 

父と伯母と叔母たち

 

<立命館専門学校中退>

父の少年時代を語る時、避けて通ることが出来ないことがあります。立命館専門学校(立命館大学の前身)を中退したことです。

 

父は大人しく目立たない少年だったようですが、真面目で向学心に満ちていて、立命館中学の夜間部から、立命館専門学校の夜間部に進学したのです。

 

立命館の卒業を数ヶ月後に控えた時、祖父は父の学費をどうしても捻出できなくなったのでした。祖父は断腸の思いで、

 

「可哀想やけれど、学校を辞めてくれるか?」と父に告げたと言うのです。

 

父は両親や妹たちの生活を考えて学校を去ったのでした。

 

20歳の父

 

<家庭人としての重い責任>

母と結婚し、私と弟が生まれ、家庭人としての父の責任は増すばかりでした。

 

その後、祖父母の介護、聴覚障害者の伯父の介護、心の病を患う伯母の介護、父の苦労は耐えませんでした。

 

母と一緒に父が大柄な祖父のオシメを替えていたことや、毎週のように伯父夫婦のアパートに差し入れに行っていたことや、精神疾患のある伯母と意思疎通するのに苦労していたことを覚えています。

 

<立命館大卒業>

しかし、幸いにも父が69歳の時に、立命館大が社会人学生を募集していることを知りました。父は一浪しましたが、70歳の時に志半ばで去った立命館大学に入学することができたのでした。

 

立命館専門学校を去って、半世紀の歳月が流れましたが、父は大変熱心に大学に通い、4年半かかりましたが、悲願だった立命館大卒業を果たすことが出来たのでした。

 

  

<母のパーキンソン病と私のうつ病>

ところが、父が大学を卒業した頃から、母が体調を崩しました。パーキンソン病でした。父は、つきっきりで母の介護をしていました。

 

父の必死の介護の甲斐なく、母は2007年に亡くなりました。追い討ちをかけるように娘婿(私の夫)が急死し、私は激鬱になって寝込んでしまったのです。父は気の休まる暇がなかっただろうと思います。

 

父は優しく穏やかな人ですが、本当に強い人だと思います。父は、真面目な常識人でなければ、人生を乗り切ることが出来なかったのだろう思います。

 

<少年のように伸び伸びと>

父の人生を振り返ると、心からありがたいと思うのです。

私がインナーチャイルドカードセラピーに出会い、本当にやりたいことを見つけ、自分の夢を育て、叶え始めたら、安心したのでしょう、父は少年のように伸び伸びするようになりました。

 

常識に囚われなくなった父は、意外に面白みがある人でした。

 

 

朝起こして紙パンツを替えないといけないけれど、ご飯を食べさせるのに一苦労するけれど、夜中に寝ぼけた父に起こされるのは困るけれど…。

 

でもね、重い責任からやっと解放された今くらい、父にはのびのびして欲しいと思います。

  

作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

 

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