香りと記憶~白百合の香り~

香りは記憶とダイレクトに

結びついているように思う。

 

蚊取り線香の香りは夏を、

金木犀の香りは秋や文化祭を、

灯油を焚く香りは冬を、

沈丁花の香りは春、卒業を。

 

香りは過去のワンシーンを

鮮明に思い起こさせる。

 

私が幼い頃、

母が物干しの片隅に白百合を育てていた。

西日がカンカン照りの狭い物干しで、

小さな植木鉢に植わっている白百合は、

今から思うと貧相だった。

 

でも、私は清楚な白百合の花と香り、

とりわけその香りが大好きで

毎年咲くのを楽しみにしていた。

 

それからもずっと白百合は、

私の好きな花の1つだった。

百合の香をかぐと心が落ち着いた。

 

ところが私の白百合へのイメージを覆す

大事件が起こった。

夫の急死だった。

 

夫の葬儀には、たくさんの方が

供花して下さった。

供花には高価な大量の白百合が

使われていた。

葬儀場は白っぽい花、

白百合や白菊でうめつくされ

白百合の香が強く漂っていた。

 

葬儀後は頂いた花を自宅に持帰り、

祭壇の前に飾った。

部屋中が花だらけになり

自宅でも白百合が強く香っていた。

 

香は記憶とダイレクトに結びついている。

 

私はそれから百合の香をかぐと、

夫の葬儀やその時の苦しかった思いが

フラッシュバックするようになった。

花壇や鉢植えなどの花はそうでもないのに

花束等に使われている白百合が

全くダメになった。

 

夫の死から9年経って、

少しずつ私のダメージも回復したようで

お花が美しいと感じられるようにはなって来た。

 

でも自分から進んで白百合を買い求めたり

その花や香を楽しむことはまだできない。

 

それは仕方がないことだ。

夫の死は私の人生の一大事件だから、

そのダメージは、

そんなに簡単に消えはしない。

 

もっと歳月が流れたら、

「大好きだった白百合の香が

辛くなった時期があったな」

と自分を振り返れる日が来るのだろうか?

香りと記憶、

白百合の香りへの思いを書き綴りました。

 

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*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

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