いい人仮面と身勝手星人

風が爽やかな5月の午後、

いい人仮面は近くの広場で

美しく咲いた野ばらを眺めていました。

 

いい人仮面はこの広場が大好きです。

なので時々草花のお世話をしたり、

ゴミを拾ってお掃除をしたりしています。

 

いい人仮面が

野ばらのスケッチをしようとすると、

身勝手星人が友だち数人と連れ立って

やって来ました。

 

身勝手星人は、

「野ばらが綺麗に咲いたね」

といい人仮面に声をかけました。

 

「いい人仮面、

この広場は管理人が必要だよ。

きみはこの広場を大切にしてくれるから、

きみが管理人になってくれないかい?」

 

「え?!僕が・・・」

 

「そうだよ!みんなでお手伝いするから、

是非、きみに管理人になって欲しいんだ」

といいました。

 

いい人仮面が困っていると身勝手星人は、

 

「名前だけでいいんだよ。

広場の作業はみんなでするから」

と言いました。

 

気がつくと身勝手星人の友だちが

たくさん集まっていました。

そして、みんな口々に

「みんなでお手伝いするから

!みんなで!みんなで!」と言うのです。

 

しかたなくいい人仮面は、

「しかたがないな。

じゃあ僕が広場の管理人になるよ」

と答えました。

なんだかとても嫌な予感がしました。

 

その数日後のことです。

 

いい人仮面がコーヒーを飲んでいると、

ピンポーンとドアホンがなりました。

「いい人仮面、広場にゴミが落ちているよ」

いい人仮面は広場に出かけて、

ゴミを拾いました。

 

いい人仮面がお昼ご飯を食べていると、

ドアをガンガン叩く人がいます。

「いい人仮面、

広場で犬に糞をさせる人がいるよ」

いい人仮面は糞の始末に行きました。

 

いい人仮面が夕食の準備をしていると、

いきなり玄関のドアが開いて、

「いい人仮面、

広場で子どもが騒いでいるよ」

いい人仮面は広場で騒いでいる

子どもに静かにするように言いました。

 

その日も、その次の日も、

その次の次の日も、

いい人仮面がゆっくりする暇もないほど、

人がやって来ました。

 

みんな口を揃えていいました。

「いい人仮面、きみは管理人だろ!」

 

しばらくするといい人仮面は、

好きだった広場が大嫌いになりました。

部屋に引きこもって誰にも会いませんでした。

 

すると身勝手星人がやって来て言いました。

「いい人仮面、広場はどうするんだい!

きみは管理人だろう!」

 

「身勝手星人!

僕はなりたくてなったんじゃないよ!」

 

「でも、引き受けたのはきみだよ!

今さら無責任なことを言うなよ!」

 

身勝手星人に責められても、

いい人仮面はどうしても

広場に行く気になれませんでした。

 

いい人仮面がお世話しなくなった広場は、

ゴミや動物の糞がたまり、

子どもが遅くまで騒ぐようになりました。

 

たまりかねた身勝手星人が、

広場で友だちを集めて、

いい人仮面の批判をしました。

みんなが「いい人仮面は無責任だ」

と言って盛り上がっているところに、

突然いい人仮面が現れました。

 

「おい、身勝手星人!

『みんなでお手伝いするから、

是非、きみに管理人になって欲しいんだ』

と言ったのはきみじゃないか!

『名前だけでいいんだよ。

広場の作業はみんなでするから』

とも言ったよ!」

 

いい人仮面の言葉に、

身勝手星人は怯みました。

怯んだ身勝手星人にいい人仮面は

重ねていいました。

 

「僕は名前だけの管理人も辞めるからね!

きみは約束通りにみんなで広場の

お世話をすればいいんだ!」

 

いい人仮面は、その後、

広場に行かなくなりました。

なので、身勝手星人が

広場のお世話をしたかどうかは

わかりませんでした。

 

・・・・・・<オシマイ>・・・・・・

 

*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

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