不思議な安心感~22回目の結婚記念日~

夫と私は共通の友人の紹介で出会った。

私の友人の家を設計したのが夫だったのだ。

 

当時、私は教師生活10年目で

仕事に夢中だった。

結婚願望もあまりなかった。

友人から夫の話を聞いても乗り気薄だった。

 

夫は結婚相手を探していたようだったが、

私が中学の英語の教師だと聞いて

気が進まなかったと後に夫から聞いた。

 

どちらもあまり気乗りしないまま、

友人に引き合わされた。

 

知り合いの割烹料理店で夫、夫の友人、

共通の友人、私で一緒に食事をした。

まあ、お見合いだった。

 

「ご飯食べたら帰るし~」

と友人に言ったのを覚えている。

 

でも、食事をしながら

不思議な感覚に囚われた。

夫とは全く初対面だったのに、

初めて会ったような気がしなかった。

 

夫は無口であまり話さなかったが、

リラックスした表情で私の話を

聞いていたのを覚えている。

 

食事を終えて、

夫の車で送ってもらうことになったが、

車のなかでも不思議な安心感があった。

 

割烹料理店では無口だった夫も、

車の中では仕事のこと、家族のことなどを

話してくれた。

会話が自然に流れた。

 

車が私の家に近づいたことを告げると、

「もうちょっとドライブしませんか?」

と言われて、しばらくドライブを楽しんだ。

 

その後、私たちの縁談は

トントン拍子に進んで、

22年前の今日、私たちは結婚した。

 

当時の私は、自分は仕事ができる

いっぱしのキャリアウーマンだと

勘違いしている理屈っぽい嫌味な女だった。

 

上昇志向も強くて、

結婚相手は高学歴で見た目も良くて、

ステータスのある職業についていてと

自分のことを棚に上げて高望みをしていた。

 

そんな私だったが、

結婚の決め手が何だったかを

振り返ってみると、

それはあの不思議な安心感だった。

 

夫のいない22回目の結婚記念日に

そのことを一人懐かしく思い出している。

*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

 

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