遺品って切ないですね。
物は残っているのに
それを使っていた人は
この世にもう居ないのですから。
夫が亡くなって8年経ちましたが、
私はまだ夫の遺品を
ほとんど処分できずにいます。
最近やっと
「物を処分しても、
それを使っていた人の思い出を
捨てるわけじゃない」
と思うようになって、
夫の履き古したツッカケ、靴下、
変色したシャツを処分しました。
「夫が生きていても使わないだろうな」
と思うものはまだなんとかなるのですが、
お気に入りのものは全然ダメです。
「◯◯へ一緒に行った時に着ていた服や」
「気に入っていつも着てたな」
「昔からずっと使ってたよな」
と思える物など見るだけでも
まだ辛かったりします。
ところが、私が一番捨てられないのが、
夫が死んだ日の朝吸った
タバコの吸い殻なんです。
夫が生きていたらただのゴミです。
「これを吸った時は生きていたんやな・・・」
と思うと今も切ないです。
8年経った今、灰皿にはホコリがたまり、
タバコはフィルターの部分だけになっています。
見たくないのに、
私は灰皿に入ったタバコの吸い殻を
寝室の出窓に置いています。
吸い殻を見る度に、
このタバコを吸った時の夫の姿が蘇って、
「生きていて欲しかったな」と思います。
吸い殻を普通のゴミとして
処分できる生活を続けていたかった。
私はこれからも夫の吸い殻を
処分できないような気がします。
遺品って切ないですね。
吸い殻が宝物になってしまうのですから。
*鬱・夫の死を克服した作家&
インナーチャイルドカードセラピスト
村川久夢(むらかわ くむ)
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