「お稲荷さん」と聞くと、まず思い浮かぶのは稲荷寿司。そして次に、赤い鳥居の伏見稲荷の風景です。


私は「花より団子」タイプのようです😅
◆ラビットスクーターで父と行った伏見稲荷
私が小さかった頃、父がラビットスクーターの後ろの席に私を乗せて、伏見稲荷に連れてくれたものでした。

神社に着くまでの道すがら、父はスクーターを運転しながら何度も「乗ってるかー、乗ってるかー」と後ろを気遣ってくれました。
風に乗って届くその声が、今も耳に残っています。
参道を歩くと、「スズメの丸焼き」の匂いが漂ってきます。私が怖がるのを知っているのに、父は必ず「スズメの丸焼き、美味しいから食べてみぃ」と言うのです。
今になって思えば、あれは稲を食い荒らす害鳥を退治するという、五穀豊穣を願う神社の参道ならではの名物だったのかもしれません。

ちなみに、大人になってから、職場の親睦会で伏見桃山の「鳥せい」に行ったことがあります。その時に初めてスズメの丸焼きを口にしました。
スズメの形がそのまま残っていて、頭を噛んだ瞬間、私の頭の中でスズメたちがいっせいに「チュンチュン」と鳴いたのです😱。怖くて、それ以上は噛めず、結局、紙に包んで処分しました😭
◆なぜ稲荷神社というと油揚げなのか?
実は私、なぜ「稲荷神社というと油揚げなのか?」がとても疑問だったのです。
稲荷神の使い(神使:しんし)はキツネです。キツネは稲を荒らすネズミを捕獲することから、稲荷神の使いとされてきたと言われています。
では、なぜお稲荷さんのお供えが油揚げになったのでしょう? 「キツネの好物は、ホンマにお揚げさんなん?」とずっと思っていたのです。

これには諸説ありますが、仏教伝来以前はキツネの好物であるスズメやネズミを供えていたという説もあります。
殺生を禁じる仏教が広まるにつれ、動物の肉を供えることが避けられるようになり、代わりに油揚げが供えられるようになったと言われています。
なぜ、お稲荷さんには油揚げが供えられるのか、伏見稲荷の参道の「スズメの丸焼き」が名物なのか。長年の疑問が、こうしてつながって腑に落ちたのです。
子どもの私は、参道で狐のお面をかたどったみそせんべいを買ってもらうのが楽しみでした。せっかくキツネのお面の形をしているのに、割って食べる時はなんとも微妙な心理でした。

スクーターには、お稲荷さんだけでなく、いろいろなところに乗せて行ってもらったので、懐かしいです。
◆国際的になった伏見稲荷
そういえば、数年前に久しぶりに伏見稲荷を訪れたとき、参道の変化に驚きました。
伏見稲荷の赤い鳥居が並ぶ風景がSNSで評判になり、伏見稲荷はすっかり国際的になっていたのです。

JR「稲荷駅」で下車すると、駅に表示されている案内も聞こえてくることばも、日本語や英語だけでなく、さまざまな国のことばが入り混じっていました。
日本人を見つけるのが難しいほどで、思わず「ここ日本ですよね?!」と思ったくらいでした。
様々な文化や信仰を持つ人々が、伏見稲荷の鳥居の下を歩いていました。外国の人たちは、「『スズメの丸焼き』なんて残酷! グロテスク!」と感じるかもしれません。
でも、五穀豊穣を祈る神様である稲荷大神が、稲を食い荒らす雀を退治して、その雀を食材として感謝して頂くという文化を知ったので、「スズメの丸焼き」を外国の人にも説明できます。
もっとも私のアヤシイ英語で表現できるかも疑問だし、そもそも英語が通じるかも疑問ですが。
でも、下記のように説明するのはどうでしょうか?(実はこの英文、AIに教えてもらいました)
This is a local specialty called ‘sparrow skewer.’ Sparrows were traditionally eaten to protect rice crops from being eaten by them. It’s a unique part of our food culture here.
(これは「スズメの串焼き」というこの地の名物です。スズメは昔、お米を食べてしまう害鳥だったので、退治して食べるという食文化が生まれました。この地域のユニークな食文化の一部なのです。)
しかし、時代は変わっても、鳥居の朱色とお揚げさんは、私の中で変わらず「お稲荷さん」の象徴です。
(なぜ稲荷神社というと油揚げなのか?~ホンマにキツネはお揚げさんが好きなん?:村川久夢)

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