人生で「もう駄目だ」と思う瞬間はありませんか? そんな時こそ役立つのが、京都人が何度も都を復活させてきた「生き抜く知恵」です。
京都人は「ああ、これはもう駄目だ。役に立たなくなった」と感じる時も、活かせる部分を探し、ひと手間加えて再生しました。
拙書『ああ、京都人』で私が何よりも伝えたかったのは、京都人が幾多の困難を乗り越えてきた『生き抜く知恵』です。
この知恵が、戦乱や政争で何度も焼け野原になった京の都を復興させたのです。
京都人の知恵は、人生に挫折した時、今の自分にできることを見つけ、創意工夫で人生を復活させる大きな助力となるでしょう。今日はそのことについて綴ります。
◆京都は何度も「焼け野原」から復活した
私の曾祖母は、文久二年(1863年)の生まれで、6歳くらいの頃、鳥羽伏見の戦いを経験しています。父は曾祖母から聞いた鳥羽伏見の戦いのエピソードを自分のエッセイ集にまとめています。

父のエッセイには、以下のように書かれています。
鳥羽伏見の戦いのとき落ち武者(幕府方)が曾祖母の住む集落に逃げ込んだという事で、官軍の隊長が大砲(おおづつ)を集落に向けて「一発ぶちかます」という命令を下したのです。

町の長役は驚いて、「そのような者は一人もおりませぬ」を繰り返し深々と地面に額をすりつけ、「万一、落ち武者が現れました時は、手前どもの方から必ず、必ずお届けいたします」と言い、米つきバッタのような土下座をしたのです。
官軍の隊長は漸くにして赤鞘から抜き払った刀を鞘に納め、部隊を引き上げさせたのです。
曾祖母の集落は、「大砲を一発ぶちかます」の難は逃れましたが、実際に大砲が発射され、戦乱になり、京都の町は火災で焼け野原になってしまったのです。
◆京都人の創意工夫が復興を支えた
東京遷都、幕末の戦乱による火災等で、衰退した京都を京都人は創意工夫して復興させたのです。以下がその時の主な取り組みです。
1、番組小学校
国による学校制度の創設に先立ち,京都の町衆が「地域による地域のための学校」として創設した日本初の小学校

2、琵琶湖疏水
水道水の原水としての利用のほか,かんがい用水,舟運,日本初の事業用水力発電など,近代化を牽引
3、日本初の事業用水力発電
琵琶湖疏水を利用した日本初の一般供給用水力発電所
4、日本初の市街電車
水力発電で生み出された電力で市電が敷設
これらの先進的な取り組みで、京都人は京都を復興したのです。
◆私の人生も「焼け野原状態」から再生した
明治の復興と比較するのは気が引けますが、私にも人生の「焼け野原状態」があり、そこから人生を再生しました。
40代でうつ病を患い、お先真っ暗でした。追い打ちをかけるように、夫が社員旅行先で急死したのです。私のうつ病は一気に悪化し、まともに仕事ができなくなり退職せざるを得なくなったのです。
私は、無価値な抜け殻のようになっていました。まさに人生の「焼け野原」状態でした。
うつ病が少し安定した頃、私はリメイク手芸に熱中しました。もう使わなくなったものに一手間加えて、再生させたのです。
まず、熱中したのは着られなくなった木綿のシャツやワンピースを紐状に裂いて、太いかぎ針で編む、裂き編みでした。
裂き編みのコースターは、なかなか味わいがあり、今も活躍しています。

私はリメイク手芸と自分の「人生の再生」を重ね合わせていました。「焼け野原状態」だった私の人生のまだまだ使える部分に一手間を加えて、再生させようとしたのです。
完全に人生を投げ出さず、今の自分にできることをやって「何とか立ち直ろう!」としました。私の中の京都人気質「創意工夫する」「粘り強さ」「芯の強さ」が発揮されたのです。
人生が「焼け野原状態」になって初めて、私は自分の「書く力」を発見しました! それにブログを書いて発信するという一手間を加えたのです。

戦乱や政争で何度も焼け野原になった京の都を復興させた京都人の血が、私の中にも流れているのでしょう。
◆人生に挫折した時こそ京都人の知恵が生きる
あなたが人生に挫折を感じる時、京都人の知恵を活かすことが出来るのではないでしょうか?
・加齢で健康や体力に不安を感じる時
・定年で自身のキャリアの先行きが見えなくなる時
・子どもが独立し、子育てを果たし、喪失感や虚無感を覚える時
・「本当にやりたかったことは何だったのか」と自問する時
あなたは「私の人生には何も残っていない」と人生の「焼け野原状態」を感じるかもしれないですね。でも、そんな時こそ、「今の自分にできること」をよく見直して下さい。
「あまりにも当たり前」と感じることの中に、再生の芽があるのです。仕事で得た能力や知識、子育ての経験、実はまだまだ気力体力があること、などなど。

あなたが人生に挫折した時、京都人の生き抜く知恵で、人生に新たな命を吹き込んで、復活できることを心から願っています。
焼け野原状態になった時こそ、「本当にやりたかったこと」を発見できます。「今の自分にできること」をぜひ探してみて下さい。
(【ああ、京都人】焼け野原から復活する京都人の知恵~うつ病からの再生を支えた!:村川久夢)

<『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』>

*村川久夢は京都生まれの京都育ち。一人の京都人の目を通して、京都や京都人について、拙書『ああ、京都人~今を生き抜く知恵おしえます~』に書きました。
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