心のケージから解放されたトイプードル~9ちゃんの感動ストーリー~

 

 

 

 

ある日、一匹の痩せたトイプードルが画面に現れました。彼の名前は9ちゃん。心に深い傷を負いながらも、新しい生活を歩み始めた彼の姿を見て、私は心を奪われました。それから、毎日のようにこの動画を楽しみに見ています。

 

   

 

動画は、シベリアンハスキーの「はっちゃん」(5歳)、トイプードルの「9ちゃん」(6歳)、スコティッシュフォールドの「じゅんちゃん」(2歳)と飼い主のオサさんの日常を撮ったものです。

     

9ちゃんは、長い間、狭いケージに閉じ込められていたのです。9ちゃんを引き取った優しい飼い主のオサさんのもとで、9ちゃんが心を開き、のびのび幸せに過ごしているのを見ると、心が熱くなります。

 

詳しいことはわかりませんが、9ちゃんは、2年間、ケージの中だけで飼われていました。しかし、2歳になって、大きくなりすぎたので、ダンボール箱に入れられ、河原に捨てられたのです。保護団体の人に発見されたのですが、それまで暗くて狭いダンボールの中で、9ちゃんはどんなにつらくて、不安だったでしょう。

   

保護団体を通じて、新しい飼い主のオサさんが、9ちゃんを引き取ることになりました。オサさんのところに来た時の動画では、9ちゃんはガリガリに痩せていました。トイプードル独特のぬいぐるみのようなフワフワの巻き毛はすべて刈られ丸坊主で、とてもトイプードルには見えなかったのです。

   

虚ろな目でオサさんのところになかなか寄って来なかった9ちゃんですが、初めて自分からオサさんのところに寄ってきたのです。

  

オサさんは「可愛がったるわな」と言って9ちゃんを抱きしめたのです。その瞬間、初めて人に優しく抱きしめられた9ちゃんから安堵感が溢れたように感じました。「この人は他の人とは違う! 僕を大切にしてくれる!」と9ちゃんは本能的に感じたのでしょう。その瞬間、9ちゃんの凍りついて硬かった心が、音を立てて解けたかのように見えました。彼の瞳に、一筋の光が差し込んだように感じたのです。私は「9ちゃんよかったね。幸せになってね」と思ったのでした。

 

 

9ちゃんはケージ以外の場所を知らずに育ったので、オサさんが9ちゃんを散歩に連れ出しても、まっすぐに歩けなかったのです。同じところをクルクル周り、散歩すらできませんでした。9ちゃんは人が怖くて、散歩中に人に出会うと、固まったように歩けなくなるのです。それでもオサさんは優しく根気よく、9ちゃんを散歩できるよう慣れさせました。

 

 

 

 

9ちゃんは、おしっこやウンチのしつけもできていず、家の中のいたるところでおしっこやウンチをして、オサさんを困らせたようです。でも、愛情深いオサさんは、じっくりと9ちゃんをしつけたのでした。

   

引き取られてきた時は、丸坊主だった9ちゃん。動画のコメント欄に「不細工で薄汚い雑種にしか見えない」と書き込まれていたことに立腹したオサさんは、「9ちゃんを世界で一番可愛いトイプードルにする!」と決意したのでした。9ちゃんを車に乗せて、毎月一回、トリミングサロンに連れて行きます。9ちゃんは今ではすっかり可愛いトイプードルになったのです。「9ちゃん、世界で一番可愛いトイプードルやね」とオサさんは、目を細めています。

 

9ちゃんはオサさんが大好きになり、オサさんの姿を見かけるといつも「抱っこして! 抱っこして!」とオサさんに甘えて来ます。時には、オサさんに甘えて、オサさんが手でカリカリフードをあげないと、食べないこともあるのです。

   

先住犬のはっちゃんは、初めは9ちゃんを警戒していて、オサさんはどうなることかと心配していました。でも、次第に9ちゃんと仲良くなり、二匹は本当に楽しそうにじゃれ合って遊ぶようになったのです。

 

 

 

赤ちゃん猫だったじゅんちゃんがもらわれて来ると、なかなか心を開かない9ちゃんが、一番にじゅんちゃんと遊んであげて、仲良くなりました。じゅんちゃんが初めて家に来た日、9ちゃんはそっと近づき、じゅんちゃんの頭を優しく舐めました。それは、かつて自分が味わった寂しさを埋めるような、静かな愛情の表現だったのかもしれません。じゅんちゃんが成猫になった今も2匹は、とても仲良しです。

 

 

9ちゃんが、先住犬のはっちゃんと、のびのび楽しそうに遊んだり、じゅんちゃんを可愛がったりしている姿を見ると、心が温かくなります。

 

9ちゃんは、狭いケージから解放されても、広い場所でまっすぐ歩くことさえできませんでした。9ちゃんはケージに閉じ込められている間に、心もケージに拘束されてしまったのです。かつては怯え、すべてを拒んでいた9ちゃんが、今では青空の下で軽やかに駆け巡っています。

 

 

 

心の中のケージはもう、どこにも見当たりません。優しいオサさんに愛されて、9ちゃんは心のケージからも解放されて、幸せに暮らしているのが本当に嬉しく感じます。

 

 

愛は犬の閉ざされた心を解放したのです。心を閉ざしている人も動物も、その心を開くのは、深い愛なのだと、動画を見るたびに感じます。愛は、9ちゃんの閉ざされた心を解き放ちました。そして今、9ちゃんの心は、広々とした青空の下を自由に駆け巡っているのです。愛によって解き放たれた彼の姿に、私たち自身の心もまた、自由へと向かう勇気を得るのかもしれません。 

 

 

京都在住セラピスト作家:村川久夢(むらかわくむ)

 

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