人を妬んで意地悪しても満たされない

教員だった頃、嫌いな上司や同僚は

たくさんいたけれど、

不思議に嫌いな生徒はあまりいなかった。

 

どんなに振り回されたり

困らされたりした生徒でも、

「大変やな~!」と思うことはあっても

その生徒が嫌いではなかった。

 

生徒の良い面を見つけて

それを伸ばすのが教員の役割なのだと

心から信じていた。

 

でも振り返ってみると

どうしても好きになれなかった生徒も

いたことはいた。

 

Aちゃんがそんな一人だ。

 

Aちゃんは努力家で成績も良く、

運動能力も高く、

友だちの間で影響力もあった。

 

私はAちゃんの一年の担任だった。

 

同じクラスにBちゃんがいた。

Bちゃんは身体に軽いハンディがあったが

人一倍の努力でカバーし

成績も飛び抜けて良かった。

 

Aちゃんはクラスメートへの絶大な影響力で

そんなBちゃんを仲間外れにした。

 

Bちゃんは芯が強く賢かったので

Aちゃんの意地悪を適当にかわしていた。

 

でも、どうしてもかわしきれなかったのが、

お昼休みだった。

Aちゃんはクラスメートに

「Bちゃんと一緒にお弁当を食べるな!」

と圧力をかけていたようだ。

 

昼休みになると、

Bちゃん一人がポツンとお弁当を食べていて

他はいくつかのグループに分かれて

ワイワイと楽しそうに食事をしていた。

 

Bちゃんのこわばった表情、

Aちゃんの意地悪い表情、

私は困りきった。

 

席替えをしたり、

班でお弁当を食べたり、

比較的Bちゃんと仲のいい友だちに

裏で根回ししたこともあった。

 

いろいろやってみたけれど、

AちゃんとBちゃんの険悪な関係は

解決されないまま1年過ぎた。

 

Bちゃんは二年のクラス変えで、

仲の良い友だちと同じクラスになり、

伸び伸びと過ごすようになった。

 

Aちゃんは転勤してきた優秀なクラブの

指導者C先生のおかげで、

クラブでイキイキと活動するようになった。

 

私は自分の指導力のなさに落ち込んだ。

無意識にAちゃんを避けた。

 

そんな二人の卒業式の朝、

私が校門の前で立っていると

Aちゃんがやって来て私に手紙をくれた。

とても素直な優しい表情をしていた。

 

「先生、卒業式が終わったら読んで。

今は読まないで」と言った。

 

卒業式が終わって

Aちゃんの手紙をドキドキしながら読んだ。

 

「村川先生、私が一年生の時、

先生をイジメてごめんなさい。

あの頃、誰にでも優しい村川先生が

嫌いでした。でも、二年になって

部活でC先生に出会って、

私は変わりました。

一年生の頃の私は子どもだったのです。

Bさんばかりひいきする

小学校の先生への仕返しを

村川先生にしていました。

先生、本当にごめんなさい」

 

Aちゃんのことを思うと、

私にもっと指導力があったら、

AちゃんもBちゃんも

もっと楽しい一年を送れたかなと思う。

 

今から思うと、

Aちゃんはどんなに頑張っても

勉強ではBちゃんに叶わないので、

Bちゃんを妬んでいたのかなと思う。

 

もっと自分を評価して欲しいのに

Bちゃんばかりを大事にする私に

反発したのかもしれない。

 

私は表面的には優しく

Aちゃんに接していたかも知れないけれど、

心の底ではAちゃんを「意地悪だ。嫌だ」

と思う気持ちがAちゃんには

伝わっていたのかも知れない。

 

Aちゃんの良い面を見失って、

表面的な対応になっていたように思う。

 

もう教員ではないけれど、

Aちゃんをもっと認めてあげれば

よかったなと思う。

Aちゃんは本当に努力家だった。

 

そしてそれと同時に、

だめなところはもっとはっきり

ダメと言うべきだったと思う。

 

人を妬んで意地悪しても満たされない。

優しくされたかったら、

誉められたかったら、

素直にならないと。

ふくれっ面していたら、

優しくできないし誉められない。

 

*鬱・夫の死を克服した作家&

インナーチャイルドカードセラピスト

村川久夢(むらかわ くむ)

 

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